魔法少女リリカルなのはStrikerS〜孤独の歌〜

□共通ルート二十一話〜三十話
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第二十一話「進展と虚栄A?」(1/2)









始まる個別スキルの訓練……

容赦のないシグナム副隊長……

語らない方が良かった過去……

なにかが、変わり始めていた。



魔法少女リリカルなのはStrikerS〜孤独の歌〜始まります。








——陸士108部隊・隊舎——


「新部隊……なかなか調子いいみたいじゃねえか」

「そうですね……今の所は」

ゲンヤ・ナカジマ三佐の言葉に苦笑しながら応えるはやて、

「そんで、今日はどうした……古巣の様子を見にわざわざ来るほど、暇な身ってわけでもねえだろうに」

「えへへ……愛弟子から師匠への、ちょっとしたお願いです」

ブザーが鳴り、スバルの姉ギンガがリインと一緒に入室してくる。

「失礼します」

「ギンガ!」

「八神ニ佐!……お久しぶりです」




ギンガははやてと少し話してリインと共に退室し、残ったゲンヤとはやては話を続ける。

「お願いしたいんは……密輸物のルート捜査なんです」

「お前のところで扱っているロストロギアか?」

「それが通る可能性が高いルートがいくつかあるんです……詳しくはリインがデータを持ってきていますので、後でお渡ししますが……」

「まっ……うちの捜査部を使ってもらうのはかまわないし、密輸調査はうちの本業っちゃ本業だ。頼まれねぇことはないんだが……」

ゲンヤは少し怪訝そうに答える。

「お願いします」

「八神よ……他の機動部隊や本局捜査部でなくて、わざわざうちにくるのは、何か理由があるのか?」

「密輸ルートの捜査自体は、彼らにも依頼しているんですが……地上のことはやっぱり、地上部隊の方がよく知っていますから」

「まっ、筋は通っているな……いいだろう。引き受けた」

「ありがとうございます」

「捜査主任はカルタスで、ギンガはその副官だ……二人とも知った顔だし、ギンガならお前も使いやすいだろう」

「はい、六課の方はテスタロッサ・ハラオウン執務官が捜査主任になりますから、ギンガもやりやすいんじゃないかと……」








その頃ギンガは、別室でリインと話していた。

「そうですか、フェイトさんが……」

「そうです。六課の捜査主任ですから、一緒に捜査を当たってもらうこともあるかもですよ」

「これは、凄く頑張らないといけませんね」

フェイトに憧れているギンガは、一緒に仕事できる事が嬉しいようで、笑顔で話す。

「はい!……あっ!そうだ、捜査協力に当たって、六課からギンガにデバイスを一機プレゼントするですよ」

「デバイスを?」

「スバル用に作ったのと同型機で、ちゃんとギンガ用に調整するですよ」

「それは……その……凄く嬉しいんですが……いいんでしょうか?」

申し訳なさそうにギンガが言う。

「大丈夫です!フェイトさんと一緒に走り回れるように、立派な機体にするですよ!」

「ありがとうございます!リイン曹長」

「あ、後コウタも協力してくれてるですよ」

「コウタも!?」

リインの言葉に驚くギンガ。

「あれ?コウタから聞いてませんでしたか?コウタはデバイスの製作を手伝ってくれてるですよ」

「そうなんですか……六課に居る事はスバルから聞いて知っていましたけど……あの子はホント昔から自分のことは全然話さなくて……メールもスバル達の事ばかりですしね」

ギンガは少し呆れたような顔をする。










部隊長室では、はやてとゲンヤが話を続けていた。

「スバルに続いて……ギンガまでお借りする形になってしもうて、ちょっと心苦しくあるんですが」

「なに、スバルは自分で選んだ事だし……コウタも付いてるんだから心配はしてねえよ。ギンガも、ハラオウンのお嬢と一緒の仕事は嬉しいだろうよ」

「そういえば、コウタとも、お知合いでしたね」

「ああ、スバルが良く家に連れてきてたからな……しかしまあ、気が付けばお前も俺の上官なんだよな。魔導師キャリア組の出世は早えな」

「魔導師の階級なんて、ただの飾りですよ。中央や本局に行ったら、一般士官からも小娘扱いです」

「だろうな……おっと、すまんな。俺まで小娘扱いしてるな」

「ナカジマ三佐は、今も昔も尊敬する上官ですから」

「……そうかい」

『失礼します。ラット・カルタス二等陸尉です』

すると二人の間にモニターが現れ、カルタスから通信が入る。

「おう、八神二佐から外部協力任務の依頼だ……ギンガ連れて会議室で、ちょいと打ち合わせをしてくれや」

『は!了解しました』

「……つうこった」

「はい、ありがとうございます」

「打ち合わせがすんだら、メシでも食うか?」

「そうしたいとこなんですが……出張任務が入りまして……その準備が」

「そうか、じゃあ又次の機会だな」

「はい」














——六課・訓練スペース——


時刻は20:40俺は訓練スペースでシグナム副隊長を待っていた。

「う〜ん了承してくれるといいんだけど……」

≪どうでしょうか?…元の原因がマスターにあるだけに、断られても文句は言えませんね≫

「うっ……」

≪そもそも、もう少し休養を取った方がいいのでは?≫

「そうかな?……昨日一日ゆっくり休んだと思うけど」

≪……地面を修復してたんですから、それほど休めてもないでしょ!≫

「ぐ……」

≪そもそも、最初から適度に休憩をはさんで、地面を修復しておけば……こんな事にはなってないんですよ!≫

「……はい」

ジェミニの言葉に、俺は一昨日の事を思い出していた。
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