緋弾のアリア〜龍偵〜

□第14鱗
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「見事な切り口だね。良い刀を使ってらっしゃ る」

「何があったんだ?」

俺のスルー?まあ、普通の反応だね。火野さん 。

「取り敢えず入ってみますか」

んで、入ってみると、そらめっちゃくちゃだっ た。切り傷に銃弾の痕。そんで居間では、日本 刀を持った白雪さんとガバメントを持っている 神崎、キンジがおり、その神崎が放った言葉。

「キンジはあたしのドレイ!ドレイに過ぎない わ!」

こんなの聞いたらやることはただ一つ。

「あ〜、もしもし総理大臣?ちょっと戸籍自体 を消して欲しい変態がいるんだけど。え?いや 、国の為だよ。そうそう。名前はとう・・・・ 」

「やめろー!!」

ヒスってもいないのに凄い勢いで俺から携帯を 奪い、切る。

「何すんだよ。人がせっかく国の為に役立とう としたのに」

「俺をその国から消す気か!?」

「あ?世界からだよ。返せよ。次は国連に電話 するんだから」

「嫌だ!絶対返さねえ!」

「おいおい、今更抵抗すんなよロリコン。そら ぁ好みは自由だよ?でもさ、小学生とSMプレ イはねえぞ。火野、今の録音したか?」

「ああ、今から教務科に送る所だ」

「止めろ!止めてください!あれは誤解なんだ !」

「だって今、ドレイだって」

「誤解だ!お前も知ってるだろ!」

「火野、送ったか?」

「あと少しだ。あっ!返せ遠山!いや変態!」

「駄目だ!お前等に持たしたら恐ろしいことに なる!あと変態はやめろ!」

「「じゃあ、ロリコン」」

「それも止めてくれーーーーーーーーーーーー! !!!」

キンジの声は誰の心にも届かなかった。



















その翌日。あの後、俺らはキンジからの説明で 誤解だと分かり、携帯を返してもらう事に成功 した。キンジはその後白雪さんを鎮め、神崎と キスしたことをばらし、神崎に子供の作り方を 聞かれ、白雪さんが姿を消したことも気づかぬ まま寝た。

んで今はHRが始まろうとしているところだ。 そこで火野に

「審治、私をお前の所に住ませてくれ」

と言われ、それを聞いたクラスのアホどもが、

「おい、ついに同棲することになったみたいだ ぞ」

「良かったね火野ちゃん。長年諦めずにアタッ クし続けたお陰だよ」

「くそっ!火野さまをあの様なクズに盗られる とは一生の不覚」

「ベットインか!?」

とまあこんな感じになった。取り敢えず三番目 の奴ちょっと来いや。

「あ、違うからな!これはその・・・・」

顔を真っ赤にしながら腕を振り回すな。

「分かってるから。理由は?」

「その、雪ちゃんがな。その・・・おそろしい んだ。部屋の隅で何かブツブツ言ってて、それ を見てたら背中から黒い物が出て来て・・・・ ・・」

「分かった。キンジには俺から話すから荷物持 ってこいよ」

「そうか!ありがとう!」

笑顔になったのは良いんだが、大丈夫かな。そ ろそろジャンヌが動き出す頃だ。

「は〜い、席に着いてくださいねえ。HRを始 めますよ〜」

ゆとり先生が入ってきたので思考をストップさ せる。

「今日はみんなに通達通り、やりますからねえ 。では!体育館に移動してください。あ、審治 君は残っていてくださいね」

他のみんなが移動する中一人だけ残っている。 てゆうか今日なにかあったっけ?通達とか来て ないし。みんなが出て行ったのでゆとり先生に 聞こうとすると

「では、審治君。きちんと武装しましたか?5 分後に第2体育館に来てください」

と、笑顔で言われて、5分間、一応武装を確か め体育館に向かう。入ってみたら皆様、完全武 装のご様子。

「お〜、来たな。飛闇〜。はじめるで〜。」

「何をですか?綴先生」

「お前の力を見る訓練や」

現れたのは蘭豹だ。って、は?訓練?

「聞いてないですよ、そんなの」

「ごちゃごちゃ言うなや。おい!準備ええか! ?」

「全員OKです!」

あれ?今返事したの確か、間宮あかりって奴じ ゃないけ?一年じゃん。

「よし、んじゃ。バトレ!」

「いや、バトレって何すれば良いんですか?」

俺何も知らねえんだけど。

「では、私が説明しますね。これは、先程言っ た通り、飛闇君の力を見る訓練です。内容は簡 単。私たち教務科が一、二年の生徒の中から1 0人呼びます。その10人と飛闇君が戦って貰 います。飛闇君が倒れるか、一、二年が全滅す れば終了となります。分かりましたか?」

「笑顔で死刑宣告ありがとうございます。ゆと り先生」

いわゆるリンチだよね、これ。

「まずは進藤!桐野!堂留!・・・・・はじめ ろ!」

その後俺は一年と二年を潰しいていく、残って るのは、

「遠山(S)!神崎(S)!風魔姉妹(A)! レキ(S)!不知火(A)!星伽(?)!武藤 (A)!中井(A)!これで終わりや!始めろ !」

「まてこら、これはないだろ!苛めか!?最低 ランクがAは無いだろ!」

白雪さんは切れたらSだろうし、ヒスッたキン ジはSだし。

「ごちゃごちゃいうな!」

「言いたくなるわ!いきなりランク上がりすぎ だろ!」

今まではAが一人いるくらいだったが今回はS が四人、いや、火野は金が無くたまに授業をサ ボってバイトするためAに下がってるが、実質 はSだ。

「お前ならいけんやろ」

「無茶ぶりにも程がある。って危な!いきなり 撃つかチビ!」

「誰がチビよ!それにあんたまったく本気じゃ ないじゃない!今まで全員素手で倒してるのが 証拠よ!」

「いや、刀抜いたら防弾制服とか紙切れ当然だ し、第一に素手で十分だったし」

「じゃあ!抜きなさい!あんたはあたし一人で 倒してみせる!」

「他の方々は?」

「見とけばいいのよ!」

「それって良いのか?」

【なら私たちがでよう】ボルカ

【そいつらの力見てみよう】アクリ

【楽しめると良いがな】フィダロ

【暇潰しにはなる】ロクシ

「・・・・・・そうだな。んじゃ相手は好きな 奴を選べ」

指輪を取り出す。

「あ、あんたあいつらを出す気?」

「あんたと俺が戦ってる間他の方はこいつ等が 相手する。さあ、出ておいで」

指輪が輝き、それぞれの中から人型の龍が出て くる。体がそれぞれの色の鱗で覆われ、尻尾が ある。爪と牙も。

「な、なんだこいつ等」

「これはハイジャックの時に出てきた龍の人型 バージョンさ。力も抑えられてる」

「つまり、私たちはこれと戦えということです か」

【その通りだ。姫】ロクシ

「喋った!?」

【龍が話してはいけないか?】ボルカ

【元々言葉は我らが作り出したもの】アクリ

【そこら辺の奴らよりは上手いぞ】フィダロ

「お喋りはそこまでだ。さっさと選べ」

【私は姫と戦おう】アクリ

【ならば私はそこの巫女とネクラとやるかな】 ボルカ

【なら、そこの風魔姉妹だっけ?と戦おう】フ ィダロ

【では、残りのAランク達は私と】ロクシ

「んじゃ、決まったところで始めますか。みん な良い?」

「全員OKよ!行くわ!」

怪物対人間の始まりだな。撃ってくる神崎の弾 を避けながら他のも観察。

武藤はロクシに腹に蹴りを食らわせたが鱗で逆 にダメージを食らったらしく遠距離から銃を撃 っている。不知火と中井はナイフで何とかして るご様子。

キンジは、神崎のパンチラでヒスッたらしく、 何気に対等にやっている。白雪さんは、・・・ ・・・何アレ恐!多分、キンジに『呼蕩』であ あなっちゃったんだろう

「キンちゃん様の為に死ねえええぇぇぇぇぇぇ ぇ!!!」

ボルカが軽く引いてるぞ。んで、レキはという と、通常弾が効かないので、アレって貫通弾? アクリの肩穴空いてるし。風魔姉妹は・・・・ 終わってるし。フィダロが何か、魚焼いて食わ してるし。何やってんの、お前等?

「余所見してんじゃないわよ!」

「あ、わり。もう、沈んで」

カウンターで腹に蹴りをいれて終わらす。そし てフィダロの所に向かうと三人で仲良く魚を食 っていた。

「マジで何やってんの?」

「陽菜が朝食を食ってないらしくて」

【それで、魚を焼いて食わしてるところだ】フ ィダロ

【美味そうだな。私にもくれ】ロクシ

「あれ?不知火達は?」

「あははは、負けちゃったよ。ナイフが折れて しまってね」

相変わらずのイケメンスマイルでこちらにやっ てきた不知火の両肩には中井と武藤が気絶して る。

「まあ、ロクシが相手だったからまだ良かった 方さ。ボルカはキレるとマジ怖いから。人間相 手にマグマの海作っちゃうからな」

「それは怖いね」

「まあ、食らったの俺だけだけどな」

あれは熱かったな。おっ、レキも終わったらし いく歩いてくる。

「レキさん、どうしたんだい?」

「水に閉じこめられました」

それで濡れてるのか。取り敢えず上着を渡す。

「これ着ときな」

制服が透けてるから下着が見えてる。気にしよ うね。

「はい」

「あとは、キンジか。あ、終わった」

白雪さんの方は大した怪我はないようだ。キン ジは、多分腹痣だらけだな。

「おつかれさ〜ん。みんな戻っといて」

これで全員終了した。いそいでキンジのヒステ リアスモードを解いて、救護科に運ぶ。神崎は 放置で。

その日の昼休み、俺とキンジ、火野、神崎で学 食を食ってる。俺はキンジと食うことが多く、 火野は俺におごってもらうために神崎はうざい 理由で必然的に4人で食うことになる。そこに

「やあ、遠山君、飛闇君ここ良いかい?」

「よう、キンジ、審治。ちょっと話聞かせろ。 逃げたら轢いてやる」

「轢に来たら、車ごとボルカの餌にすんぞ」

やってきたのは、不知火と気絶していた武藤だ 。

「それで、話って?」

「キンジ、お前星伽さんとケンカしたんだって ?」

「もう、広まったのかよ。さすが武偵高だな」

「星伽さん、沈んでたよ。花占いの結果も悪か ったようだし」

「花占いってあの花びらを一枚ずつちぎって、 好き、嫌いってやる奴か?昭和なことやる奴が いたとはな」

「雪ちゃんはたまにああなるんだ。けど今日の 戦いの時、凄く元気だったような」

隣からうぐっっていう声を聞き、やっぱりキン ジの仕業かと理解する。

「あれだろ。ワザと元気を出して、気をまぎわ らすとか」

それで、三人は納得したみたい。感謝しろ。

「で、なんで別れちゃったの?愛が冷めたとか ?」

不知火、それは違うぞ。キンジが神崎に殴られ てるがシカトして。

「キンジは自分の性癖に気付いたんだ。火野、 礼の物を」

「分かっている。これを聞いてくれ」

2人とも差し出した携帯を耳に近づけ、離す。

「遠山君、僕はいつまでも友達だよ」

「キンジ、安心しろ。星伽さんは俺が幸せにす る」

「まて!何だその遠くに行く友を見る目とせり ふは!」

「安心しろ、砂漠は広いから見つかりにくい」

「国外追放か!?俺は何もしてないぞ!第一に 白雪はただの・・・」

「あの、飛闇先輩」

キンジの弁明する姿を見ながら飯食ってたら、 後ろから声を掛けられた。振り返ると、知らな い女子生徒がいた。髪は黒くて、ロング。火野 の髪を解いたような感じだ。顔は少し俯きぎみ だな。赤いし。多分一年。

「なに?」

「あの、その」

何故かモジモジしながら横をチラッとみる。俺 の横は火野がいるだけだが。不知火達も黙って 見ている。

「あの、私とつきあってください!」

その瞬間、結構騒がしかった食堂が一気に静ま りかえ、みんながこっちを見ている火野は固ま ってるし、キンジは驚いている。不知火と武藤 は笑ってる。

そこに神崎が、

「ちょ、ちょっと!審治はあたしのドレイよ! 横取りは禁止よ!」

「神崎先輩には遠山先輩がいるじゃないですか !」

すげえ、神崎に言い返したぞ。度胸あんなあ。

「それなら勝負よ!あたしより強かったら諦め るわ!」

「分かりました。受け「はいストップ」先輩? 」

人の意見を聞かずに話を進めようとしたので止 める。

「止めんじゃないわよ審治!それとも何!そっ ちの方がいいの!そりゃ、胸もそっちの方があ るし!可愛いけど!あんたはあたしのドレイな のよ!」

凄く興奮して顔真っ赤だな。

「取り敢えず黙れ。君、名前は?」

殺気で黙らせ、後輩に向き直る。

「え、えと綾盛 紅海です」

「紅海さん。俺はあんたに相応しくない。から 諦めてくれ」

「相応しくないなんかありません!」

言い聞かせるように言ったが、逆に強くなった な。

「すまないけど、俺は愛情なんか持ってない。 だから君の気持ちに応えることは出来ない。分 かってくれ」

「・・・・分かりました。でも、これだけ教え てください!先輩に好きな人はいるんですか! ?」

隣で火野と神崎がビクッとしたのは気のせいか 。

「いないよ」

と答えると、紅海はうれしそうに帰って行った 。んじゃ、昼飯再開。

「やるねえ、上手い断り方だったよ」

「事実を述べただけだ。あと、神崎」

まだ真っ赤な神崎だが、一応座れたらしい。

「何よ」

「俺はてめえのドレイになる気はない。お前の 事はどっちかっ通と嫌いに入る」

顔をショックで固める神崎。それはシカトで続 ける。

「俺は自分より弱い者の下に付く気はない。ご ちそうさま」

みんながみる中、食堂を出て近くの棟の屋上に 行く。そこで風に当たる。

「俺は、好かれてはならない人間だ。いや、人 じゃすまないな」

独り言のように呟く。
 

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