緋弾のアリア〜龍偵〜

□第10鱗
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次の日の朝、神崎はいない。昨日、キンジが一 回だけ組むと言って出て行った。キンジは早く 行かせた。

「飯、いいか?」

火野登場!

「今更聞くのか?」

「いや、一応な」

「要らんから入れ」

「失礼する。神崎は居ないのか」

「ああ、出て行った」

「そうか」

「嬉しそうだな。ほら、お前の分」

火野の前に置く。今日はカレーだ。一晩寝かし たカレーはうまい。

「済まない。いただきます」

食い始める火野。その顔を見ながら

「ほんとにそう思ってんのは妹に対してだろ? 」

そう言われて、ぴたっと食うのを止める火野。

「どうしてそう思う?」

「昨日、情報を教えてくれた時、お前が妹を見 る目が後悔と期待でごちゃ混ぜだった」

「・・・・・・」

カチャっとスプーンを置き、俯きながらも話を 聞く

「お前は妹が尊敬の目で見て来ることで家を出 てしまったことで自分の家族を支える責任を妹 に押しつけてしまった事に後悔した。そして、 また家に戻り自分の責任を果たし、一緒に過ご す事が出来るかもしれないという期待だ。だが それは自分の傲慢な欲望だ。妹に申し訳が立た ない。だろ?」

「そうだ。流石だな。そこまで言うならば私は どうすればいい?」

「金貯めて、家に帰り、土下座で謝り、誓いを たてる。」

バッサリ言ってやった

「だが、金はそう簡単に貯まらんだろ」

「身体売れば?お前なら結構行けるだろ」

「なっ!?何ばかなことを!そんなことできる わけ無いだろう!・・・・・私みた いな女、誰が欲しがる」

少し顔を上げ、自嘲的な笑みを浮かべている。

「そうか?お前は結構可愛いから行けんじゃね ?」

(結構隠れファンがいるしな。前に一緒に登校 してたら男子生徒に『女神を奪った罪を償えー !』とか言われて襲われたしな。20人くらい 。全員手足一本ずつ折ってやったけど)

「!?」

ボッ!っと一気に顔を赤くしてまた俯く

「お、お前ならいくらで買う?」

「・・・・・無理だろ」

「やっぱりか・・・・・ふ、ふふふ」

「俺にお前は買い切れねえよ」

(同級生で同じ学校だし、)

「!?・・・・・天然の女殺しだな。お前は。 」

「え!?なんで!?」

「御馳走様でした。いくぞ」

(いつのまに?)

その後、バスに乗って登校した。レキも同じバ スだった。珍しいなこの時間にレキと同じとは 。














5時間目、キンジが強襲科に戻ってきた。俺は キンジよりも遅く来たからキンジはとっくに死 ね死ね言われて囲まれていた。

「キンジぃー!やっと死ににきたか!さあ死ん でくれ!」

「遠山・・・・今すぐ死んでくれ」

あ、二人目は火野な。まあ、見てるのもあれだ から後ろから声をかけるか。

「よう、キンジ」

「審治か。遅かったな」

「ちょっとな」

普通に話す俺ら。別に死ね死ね言わずとも心の 中では同じ事を思っているのだ

((死ね))

「おぉ!審治か!お前は俺らの神だぜ」

「なんで?」

「あの蘭豹を泣かせた本人だからな」

「それに壁ごとぶっ壊したことで恐れられてん ぞ!」

「あと尊敬もな!ほら見てみろよ!」

そう言われて指さした方をみると1年生の女子 がこっちをみている

「あれなん「おら!さっさと訓練はじめろや! 」・・・へい」

蘭豹が来たため解散する

「おお、飛闇。これが金の値段や」

渡された紙をみたら

「ご、五百万!?高!!」

「あの刀鍛冶は自分が納得できる物を作るらし いんや。だから良い刀が出来るわけや。その分 高いがな」

「高すぎでしょう!?こんなの絶対払「ああ? 」・・・なんとかします」

畜生!錆で70万だったから幾分か高いだろう と思ってたけどこれほどとは・・・

「そうや、飛闇。お前は今日は訓練すんな」

「え!?何故!?・・・ですか?」

「お前が訓練したら壊れていくからや」

「先生にいわれたく「ガチャ!」何でもござい ません」

その日はキンジが装備品の確認と自由履修の申 請などしているのを隣でみとくことになった。 つまんな!

放課後、キンジと一緒に帰ろうとしたが神崎が 校門にいたので餌(キンジ)で釣って一人で帰ることにした。


















先に家に帰り着いた俺は指輪磨きをする事にし た。箱を開け、指輪を取り出す。そのとき、あることに気がついた。

「白が・・・・・無い?え!?何で!?どうし て!?」

あわてて探したがやっぱり無かった。

「どうしょう。このままあいつが起きたら・・ ・・・天変地異が起きる。ヤバイ!ヤバイ!マ ジでヤバイ!誰かヘルプミー!!」

絶叫中の俺。そのとき

【何を騒いでいる】火龍のボルカ

「起きたか!他の奴は!?」

【起きている】黒龍のロクシ

【遂に顔だけでなく頭もおかしくなったか】ガ シッ!ブン!ガン!地龍のフィダロ

【少し寝過ぎたか】水龍のアクリ

「お前等!やっと起きたか!二週間も寝てたぞ !」

【そうか。それより天龍のリシュラはどうした ?】ア

【いつもは一番早く起きるのにな】フィ

「それが・・・消えちゃった」

【ハ?】ロ

【どうゆう事だ?】ボ

「いつの間にか消えてたんだ」

【交信してみろ】フィ

「分かった」

ベランダにでて心で呼びかける

(リシュラ!聞こえるか!?リシュラ!)

【審治か?どうした?】リ

相手からも返ってきた

(どうした?じゃねえよ!どこいんだよ!全員 起きてるぞ!)

【私はとっくに起きてた。今は気になった人間 に付いてる】

(は!?誰!?ってかなにやってんの!?人間 、嫌いなんだろ!)

【少しな。人間を間近で見てみようかと思って な】

(誰に?)

【教えん。何かあったら連絡する】ブツ!

(ちょ、リシュラ!?おーい)

「切られた」

部屋に戻って報告する

【者好きだな。あいつも】ロ

「どうする?」

【放っておけ。飽きたら戻ってくるだろ】ジュ

【だな】フィ

「天変地異をおこさなければいいけどな」

ガチャ

「ただいま」

「キンジか。お前等は箱に入ってろ」

箱に納めて廊下にでる。

「遅かったな」

「アリアをゲーセンに連れていってた」

「なるほどな。そのストラップはそこで取った ものか」

キンジのポケットからでているネコ(?)を指 さしていう。

「ああ、アリアも持ってる」

「ふ〜ん。ま、いいや。飯にしようか」

その後飯を食い、寝る時間まで読書して(キン ジは先に寝た)寝ようとしたとき携帯が鳴った 。

「はい、どちらさん?」

「ヤッホー!りこりんですよ〜」

夜なのにテンション高いな。

「何?リュパンさん」

「何故しってる?」

男喋りになった。

「俺、11から14までイ・ウーにいたからた まに教授から依頼が来るんだよ。知らないのは 多分あいつがわざとやってたんでしょ。俺もあ んたのことは一昨日聞いたしな。」

「へ〜、そうなんだ。じゃあ、話が早いね。キ ー君の時計を少し遅らせてほしいんだ!いける ?」

元の口調になってる。

「いいよ。イ・ウーのよしみでね」

「ありがと〜。バイバイキーン!」

その後、キンジの時計を3分ほど遅らしてねた 。






















翌日、雨。いつもより早く朝を迎え、火野と一 緒にバスに(レキも)乗り学校に向かう。理由 は報酬の良い依頼を取るためだ。金がないって 悲しいな。

火野に言ったら「やっと私の悲しみを思い知っ たか」と言われた。教室で不知火と喋ってると

「そういえば、審治君。刀はどうしたんだい? 」

俺の腰を見ながら言ってくる

「え?あ!忘れてた!取りに戻る!」

「キンジ君にお願いすれば良いんじゃないかな 」

ナイス不知火。さっそく電話を・・・・妨害さ れてる!

「電波妨害されてる」

「本当かい?今からなら30分のバスに乗って 戻れば58分のに乗れるはずだよ」

「そうするか」




















「ただいま!」

玄関を開け自分の部屋に飛び込み、真滅天と一 応指輪を納めた箱を取る。

「あれ?何してんだ?」

「刀忘れてた!行ってきます!」

即効玄関を飛び出しバスに乗る。俺の後に武藤 が乗る。そして発進するバス。キンジは慌てて 出てくるが時すで遅し。

「じゃあなキンジ!一限目ふけちゃえよ!」

武藤が余裕でそんなことをキンジに叫んでいる 。余裕でいられるのは今だけだぜ。理子のこと だ。このために時計を遅らせたんだろう。

発進して2分後、中等部の女子の携帯が鳴り、

「この バスには 爆弾 が 仕掛けて あり やがります」

ボーカロイドの声がバス内に響く。ほらな、ビ ンゴ。

「速度を落とすと 爆発しやがります」

「何だ?イタズラか?」

「てかこれ私のじゃないよ!」

「武偵殺しか!?」

みんな混乱してる。そりゃそうだ。とりあえず 落ち着くように言おうとしたが

「『アバドン』は 動くな でやがります。 動くと 爆発 するで やがります」

(バラしてんじゃねえよ!あのチビが!)

「アバドン?」

「誰だ?それ」

「変な二つ名」

(知らなくて結構。つっても知ってるのは裏の 人間か、俺に殺された奴らぐらいだけどな)

「とりあえず落ち着け!運転手さん、速度を落 とさずに走り続けて下さい!」

ナイス武藤!今だけカッコいいぞ!ってか俺立 ったままなんですけど、席に座っちゃだめ?

「『アバドン』は動くなで あります」

いじめ?あいつ殺そっかな。でもシャーロック に止められてんだよな。

ブーブーブー

携帯のマナーモードの時の振動がきた。

「もしもし?どちらさん?」

誰かは分かってるけど

「審治?あんた今どこよ!?」

ビンゴ!

「ただいま バスの 中で あります」

パクリで返す。ブツッ ひどくね?

「お前上手いな」

武藤が驚いてるがシカトする。

「もうすぐで神崎が来るからみんな落ち着いて 待っとこう」

笑顔でそう言って空いた席に座る。爆弾?知ら ない。いざとなったら俺だけ窓から逃げる。
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