東方紅煉華


太古の昔、人と龍が対立し、激しく争いあった時代が存在していた。

人は兵器と団結の力で龍を撃ち落とし、龍は己の爪や牙で人を引き裂いた。

人との戦いに惜しくも敗れ、あるひとつの龍が深い海溝に沈んでいったこの戦いもまた、そんな戦争のたったワンピースでしかなかった。

少なくとも、その世界の中では……。

憎き人に敗れ、全ての力を失った巨龍――後の世にて「煉黒龍グラン・ミラオス」と名付けられた龍は、何の因果か幻想に生きるものたちの楽園「幻想郷」に流れ着いていた。

そこにもいた忌まわしき人間に加え、人間とは遠くて近い存在の妖怪、人間は決して逆らえぬ存在の神。

死臭しか立ち込めなかった戦場にしかいなかった龍にとっては、それらすべてが未知のものであった。

なぜ煉黒龍は人間を憎むのか。なぜ煉黒龍は幻想郷に迷い込んだのか。そして――龍はこの幻想の楽園になにをもたらすのか?

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