そんな時はどうぞ紅茶を

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時刻はPM17:18。

澪は検事局の玄関前で、高々とそびえ建つビルを不安げに見上げた。




【改めて謝罪をさせてくれ。あの時は急いでいたとはいえ、本当に申し訳ない事をした】

【や!やめてください御剣様!頭を上げてくださいお願いですから!】

【――本来ならすぐにでも連絡をすべきだったのだが…緊急案件を抱えてしまって、今になってしまった】

【いえその!も、もう気にしていないと言いますか、むしろすっかりすっきり忘れてたので、御剣様が気に病む事はなにも…!】

【それでお詫びの件なのだが…今日この後、予定はあるだろうか?】

【………は?】



約2時間前のやりとりを思い出す。正直、未だに話についていけてない澪である。



【突然の話ですまないが、今日しか空いていない上に、次の休みがいつになるか正直分からない】

【で、ですから…】

【悪いが、君の遠慮は却下する――…この後の君の予定は?】

【……17時に退勤予定です】

【分かった。すまないが、君の仕事が終わり次第、検事局の1階ロビーに来てくれたまえ。私の車で案内しよう】

【そそ!そんなお気遣い頂かなくてもー!!】

【遠慮は却下だ。君に外せない用事があるのならば別だが】

【………わ】



分かりました。と、澪は押し切られて今に至る。ここまで頑固だとは思っていなかった。

今まで仕事として何度も行き来してきたが、来賓用からしか入った事がない澪は、検事局の玄関前で途方に暮れていた。しかし、御剣が待っているかもしれない。

大きく深呼吸をしてから、澪は気合とともに背筋を伸ばすと検事局1階ロビーへ足を踏み入れたのであった。



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