神様の言う通り

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彼の一途な想いを

どうか法の神も見届けられますよう…



***



「おや。これは水鏡裁判官ではありませんか」

「まぁ、裁判長。お昼休憩でございますか?」

「そうです。なかなか長丁場で、いやはやこの年には堪えますな」

「そんな、裁判長にもまだまだご活躍なさっていただきませんと。法の神も望んでおられますわ」

「はっはっは、これはこれは…神のお求めともあらば、これでも食べて午後からもまた頑張らねばなりませんな」

「あら。それは…」

「えぇ、御剣検事局長からの差し入れです。もしかして、水鏡裁判官も?」

「はい、私も今朝方いただきました。検事局でも配られたみたいで、ユミヒコさんも同じ物をお持ちでしたよ」

「ほぅ。彼も検事局長という忙しい身分になったのに、検事のみならず我々裁判官にも差し入れとは…なかなか細やかな気配りですな」

「――…あれ。裁判長、休憩ですか?」

「おやおや。確か王泥喜くんと…貴方は希月弁護士。君たちもカフェテリアで昼食ですか?」

「…裁判長。お知り合いですか?」

「あぁ、水鏡裁判官はまだお会いしてませんでしたか。この2人はあの成歩堂くんの弟子なのですよ」

「まぁ、あの名高い成歩堂様の。ではお二人共弁護士でらっしゃるのですね?」

「はい!王泥喜法介です!」

「希月心音です!」

「こうやって若い方々が法曹界を支えておられるとは、法の神もお喜びになられますわ。御剣局長の頑張りと併せて、暗黒時代もじきに収束する事でしょう」

「……おや?君達が持つそれは……ひょっとして御剣局長から?」

「はい。俺達は御剣検事局長からじゃなくて、裁判所のロビーで配ってたのを貰いました」

「私達だけじゃなくて、傍聴人にも配ってましたけど結構な量で、まだまだ配っている感じでした」

「………」

「…一体、どういう事なのでしょう」

「――…実は、心当たりがあるんです。っていうか…」

「私達、今の状況に至るそもそものきっかけを、目撃したんです」

「何ですと?」

「あの……御剣検事局長がとあるコンビニに連日通いつめている事はこ存じでしょうか?」

「ほ?」

「……えぇ、ユミヒコさんから話をお伺いしてますが……あの、御剣検事局長様は……なんでもその、お一人の女性に恋、をなさってるとか」

「な、なんですと…っ!あれは単なる噂だと思っておったのですが、それは本当なのですか?水鏡裁判官」

「私もユミヒコさんから聞いた話なので真偽のほどは…何でもその恋を成就させようと皆で応援してるだとか何だとかで…」

「いやはや……あの御剣検事局長がそのような――…若いというのは、何とも羨ましく甘酸っぱいものですな」

「それで、貴方方が目撃した事とは、一体何なのでございましょう?」

「実は……」



***
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