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□君と同じ
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ここに、三匹の猫がいる


小さな黒猫と

その親であろう黒猫。


そして、



漆黒の髪をしたキッド。



「まったく可愛いなあ、
お前は!」



満面の笑顔で子猫とじゃれ合うキッド。


その姿は誰から見ても



「猫…だよなぁ」



ソウルが呟く。


キッドは死刑台邸までの帰り道、毎日のように裏路地で見つけた猫と戯れている。


「ほらキッド、
その辺にして帰るぞ。
リズとパティが心配すんだろ」

ソウルが促すと、キッドは猫を抱いたまま立ち上がった。


「うむ、帰らねば。

しかしこの猫…」



おもむろにキッドが猫をソウルの顔の前に突きだした。


「…なんだよ」


訳がわからず困惑するソウルをよそに、



「うむ!やっぱりな!」



と、一人で納得したキッドは子猫をそっと親猫のもとに戻した。



「帰るぞソウル!」


満足げな顔をして自分の手を差し出すキッド。


「おう。」


ためらうことなくその手を握りしめるソウル。


「ふふっ…
やっぱりこっちの方がいいな」

キッドは微かに笑い
ソウルに抱きついた。


またまた訳が分からず、キッドの頭を撫でていると足元に先程の子猫がすり寄ってきた。



その子猫を見ていると





「…あぁ、そういうことか」




ソウルも微かに笑った。






「俺と同じ色の瞳。」








さっきまで、

君が構ってくれなくて、

猫にまで嫉妬していたけど

どこか俺のことを重ねている

どこかで俺のことを考えてる

そんな君が好き


fin.

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