dream
□ダイエット宣言A
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わたくし小春は、三ヶ月前にダイエット宣言をしました。
夏までに痩せるという名目で。
まぁ、単に痩せるといってもアバウトなので三ヶ月以内に三キロ痩せるという条件がつきました。
今日がその期限の三ヶ月。
「……痩せてない。」
ヤバイぞ。
全く痩せてないぞ。
一キロも痩せてないぞ。
自宅の洗面所にある体重計を何度も何度も確認すること10分弱。
数字は不動の二桁を示している。
「はぁ…。お風呂上がりでもこの体重…」
なんでもっと頑張らなかったんだ私。
自分の意志の弱さに悲しくなってくる。
よろよろとおぼつかない足取りで下着姿のままリビングのソファーに突っ伏した。
ああ、ソファーってなんてこんな気持ちいいんだろう。
もう私ソファーと結婚する。
おやすみなさい。
…………
「……おい。」
なんだよこっちは眠いんだよ。
「起きろ、小春。」
あれ、その声。
「うわっ!キッドっ!」
目を開けるとそこには、だいぶ不機嫌そうなキッドがいた。
「キッド…?なんでいんの…?」
その問いとほぼ同時に脳天にチョップを喰らった。
「たわけ!今日お前の家にきっちりかっちり12:00に行くと昨日約束しただろう!」
やば…、忘れてた。
「ごめんなさい忘れてました」
私が素直に謝ると「まったく…」とため息混じりに呟いた。
「で、なんだその格好は?」
へ…?
なんのことか分からず固まっていると、キッドはばつが悪そうな顔をして私の胸元を指さした。
「服を着ろ。それとも誘っているのか?俺のことが待ち遠しくて全裸待機かこのやろう。」
「うわあああああ忘れてたあああ!!!うっさ!全裸じゃないわばーかばーか!!!」
せめて服着てから寝ればよかった!
見られまいとキッドの視界から逃れようとした。
すると、突然うしろから手がのびてきた。
「まぁいい、どうせ脱がすつもりだったしな。」
彼は私を抱きつくような形で捕らえると耳元で囁いた。