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□スクハピバ!
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『ねぇ、スクアーロー。』

「何だぁ。」



後ろから彼の髪の毛をいじりながら、だるさ全開で話しかける。


『おめでとー。』

「はぁ?」

『誕生日でしょー?』



一生懸命に任務の報告書を書くその手が、一瞬だけ止まったのが見えて、

ちょっと嬉しくなる。




「けっ、下らねぇ。んな事どっから聞いて来たんだぁ。」

『ルッスーリアがケーキ作ってた。』

「…………マジかよ。」



少しだけ青ざめるその顔に、くすっと笑う。

そこで髪の毛いじる手を止めて、後ろからぎゅうっと抱きついた。



「ど、どうしたぁ?」

『スクアーロ、』

「んん"?」

『あったかい。』




頬に触れる銀髪が、少しくすぐったい。

ゆっくりと目を閉じて、広い背中にすり寄る。



「う"お"ぉい……あんまりひっつくな。集中できねぇんだよ。」

『いーじゃん、今日くらい。お誕生日だもん。』

「関係ねぇだろ、誕生日と報告書は。」

『あるの。』



だって、今日はスクアーロがココに生まれて来てくれた日。

あたしにとって、大事な大事な日。



こんなに大切に思ってるんだから、

仕事なんか放り投げて、構って頂戴。




『乙女心の分からない鮫ね。』

「うるせぇ!」

『ふふっ♪』



抱きつくのをやめて、横からスクアーロの手元を覗き込む。

ついでに…





ちゅ、


「なっ、何だぁ!急に!!///」

『プレゼント♪』

「お前なぁ………」




怒りっぽいスクアーロに、笑顔を見せて気力負けさせた。

溜め息1つの後に、再び報告書を書き始める。


暇になったあたしはまた後ろから抱きついて、



『ねぇ、』

「今度は何だぁ。」





長ったらしい銀髪も、

恐怖感煽る鋭い目も、

ちょっと悪い言葉遣いも、










『…好き。』



(だから貴方の誕生日くらい祝わせて)
fin.
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