歌姫お題SS

□Virgin Road 続編 五郎八の結婚
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五郎八目線
いろいろ史実捏造
それでもよければどうぞ。。





私の結婚相手は私が4才になったときに決められていた。

それは俗に言う政略結婚。

私の父、伊達政宗が決めたことで、父の言うことは家中では絶対だった。

別に見たこともない相手なのだから、私はどうでもよかった。

でも、弟たちと別れるのはさみしいし、何よりも母と離れなければならないのが辛い。



私が母の側にいて、母を守らなければならないと、物心ついたときからそう思っていた。

まだ、私や弟たちといるときは良かったが、少しでも家中の者と接触するときは、とても肩身が狭そうだった。すごく辛そうに見えた。
家中の者たちも、母をよく思っていないようで、ありもしない噂をたてられたり、陰口をたたかれたりすることも多かった。
それでも、母はじっと耐えているように見えた。
逆に、何かすれば、父に迷惑がかかると思ったのだろうか。

侍女の一人から聞いた話だが、母は嫁ぐ前養子に入っているが、その前は父と敵対する勢力の女だったらしい。だから、今でも父の寝首を掻くのではないかという噂が絶えないのだとか。

けれど、母はそんなふうには見えないし、むしろ父に会った時や、父の話が出るときだけは、嬉しそうな顔をする。
父も、政務で忙しい中、合間を縫って、母や私たちに会いにきており、母を大事にしているように見えた。


私が嫁いでしまえば、母の側にいてずっと守る人がいなくなってしまう。
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