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「あぎと…?」



真夜中に目覚めたナシ子は
いつも隣で眠っていた
彼の温もりがないことに気付き
キョロキョロと周りを見た。


一人暮らしの部屋はあるが
咢と再会してからは
イッキや咢が居候している
林檎の家でほとんど生活している。


もちろん咢の部屋で一緒に。

そして
もちろん一緒に寝ている。



低血圧で寝起きの悪い咢。


なのでナシ子が起きても
必ず咢は寝ているのだが。


今日は起きてるどころか
姿さえもない。


それに今は真夜中。


なにかあったのか…
胸騒ぎがしたナシ子が
探しに行こうと起き上がると。


部屋の窓がガラリと開いた。



そこに居たのは。




「咢…!
どこ行ってたのー?
心配するじゃん。」



A.Tを履いた咢は
そのまま部屋に入り

「……ちょっとな。」

とナシ子の問をはぐらかして
着替え始めた。



「……なに?浮気?
バレないようにやりなよね。」



気にはなったが
ひとまず安心したナシ子は
もう一度ベッドに寝転んだ。



「ファック、浮気じゃねぇよ。
つーか、バレなきゃいいのかよ。」



笑いながらベッドに入り込む咢。



「咢はモテるからねー。
浮気すんなとは言わないよ。
嫌だけど。」



「安心しとけ。
しろって言われてもしねぇから。」



そんなくだらねぇこと
考えてないで、こっち来い。

とナシ子の頭の下に手を滑らせて
抱き寄せた。


くだらなくないもん!
なんて反抗しながらも
咢の言葉に嬉しさを隠しきれず
ニコニコしながら身を任せるナシ子。 


そんなナシ子に微笑み
押し当てるだけのキスをした。


ナシ子も安心したせいか
夜中に起きたせいか
すぐ睡魔に襲われ
二人、眠りについた。
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