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『ナシ子…ちゃん…?』




寝ていた俺の頭に
亜紀人の声が響いた。



ナシ子…?なんでナシ子??

なんでアイツの名前を?



意識を戻した咢にまた声が届く。



『…あき…と…?』



っ!!!



正真正銘のアイツの声。


眠気なんかすっ飛んで
飛び起きた。



「ナシ子っ?!
ナシ子がいるのか?!!」



しかし亜紀人は
シカトを決め込んでいる。



「おいっ!!亜紀人!!!
説明しろよ!」



アイツは…っ俺の……っっ!


それに、今アイツに会ったらっ……!!



そして亜紀人が
口を開こうとした時。


バカカラスの声が聞こえてきた。



ファック!
この、ウルトラKYガラス!!!



『う〜ん…
知り合いって言うか
なんて言えばいいんだろ……。
とりあえず
僕は、幼馴染かな。』



ナシ子の焦った声が聞こえてくる。



…まぁ、確かにそうだが。

亜紀人…しゃべりすぎだ…。



そして亜紀人とナシ子は
他愛ない話しを始めたみたいだ。



それより亜紀人!

この状況を説明しろって!



なんて言ってはみるものの
相手になんてされてない。

てより、おもしろがってないか?


やっぱコイツ
俺より性格悪ぃな。




『じゃぁ
そろそろ咢に代わらなくちゃね。』



……ん?



待てっ待て待て!

なんか久々すぎて
緊張するっつーかっ!

急すぎだろっ!!



「ほらっ
アイツも嫌がってるみてぇだし
お前とまだ話してぇみてぇだし
俺はまだ…!」



すると亜紀人が
ようやく口を開いた。




『ダメだよ、咢。』




その一言でハッとなった。



…そうだよな。
俺が逃げてちゃダメだよな。



「けどもうちょっと待て!」



しかし、瞬きをして目を開けたら

目の前には驚いた様な、複雑な表情のナシ子がいた。



「お、おい!亜紀人っ!!
   ……っ。」
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