ハートのクイーンのお遊び

□nightmare
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ケモノを心に感じ、ケモノの力を手にする拳法―――獣拳
獣拳に相対する二つの流派あり
一つ、正義の獣拳「激獣拳ビーストアーツ」
一つ、邪悪な獣拳「臨獣拳アクガタ」
戦う宿命の拳士たちは日々、高みを目指して、
学び、変わる!

1話

ここは黒獅子理央が頭首を務める臨獣殿
理央は先ほど連れてきた少女をそばに置き、自身のマントを被せ、瞑想を始めた

「(理央様がご自身のマントを!
私もやってほしい・・・)」

うっとりした目で理央を見るメレ

「・・・・・・ん」

微かに少女の瞼がピクリと動く

「!理央様」
「・・・目覚めたか」

理央は瞑想をやめ少女を見た
少女は目が覚めていて周りを不思議そうに見渡している

「・・・貴方は、だあれ?」

少女は理央を見つめてた、その瞳は左右色が違い、理央を見ているようで見ていなかった

「俺は理央、黒獅子理央
ここ、臨獣殿の頭首だ」

「・・・り、お
理央、黒獅子理央・・・
臨獣殿頭首・・・」

覚えるように理央の言ったことを復唱する

「(りっ、理央様を呼び捨て!)」

メレは驚いていた、そりゃあそうだ、いきなり愛しの理央を呼び捨てにしたのだ

「あそこにいる女はメレ・・・
俺の右腕だ」
「メレ・・・」

じっとメレを見る少女

「お前の名前はなんだ」
「僕の名前は・・・神依」
「では神依、お前はなぜ森に倒れていた」

率直な質問だ
だが少女・・・神依はわからないと首を横に振った

「そうか
ではお前はどこから来た」
「わからない・・・・です」

ズキリと痛む頭を押さえながら言った
その姿はとても弱々しかった・・・

「理央様、この娘・・・!」

メレも気がついたようだ

「・・・記憶がないのか」

神依には記憶がなかった、名前以外の記憶が全て消えていた

「理央様、この娘いかが致しましょう」

メレは理央に跪いて言った

「神衣は此処にいさせる
メレ、お前は下がれ、神衣と話がある」
「分かりました」

そう言って、メレは出て行った
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