□素直で勇ましい子!
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私は元デカレンジャーのデカヴァイオレット、不動瑞貴です。一番年下なので地球署のみなさんから妹のように接してくれて、私もみなさんを兄や姉のように慕ってます。ボスやスワンさんは頼れる大人です。

レジェンド大戦でデカレンジャーの力を失ってしまいましたが、日々警察官の職務を果たす努力をしています! 今日はザンギャックの動向を調べると同時に、最近巷で騒いでいる宇宙海賊についてジャスミン姉さんと警察署を回って手配書を配ってるんです。


「ジャスミン姉さん、本当にこの宇宙海賊さんたちって悪い人なんですか? 地球に来たザンギャックを倒した情報もありますし、マジレンジャーさんが大いなる力を渡したんですよ?」

「さあね。マジレンジャーが認めたにしろ、海賊行為のこともあるし、私たちはボスが認めない限り信用できないわ。ほら、次の警察署に着いたし、働くべし」

「は〜い」


ザンギャックが作った手配書をコピーして整理したときも思ったのですが、この人たちはスゴく意志が強く、どこか優しい瞳をしています。やっぱり悪い人たちには思えません。これは捕まえて直接問いただすしかありませんね!

警察署に手配書を渡し、手続きをしていたら驚くべきことが起こりました。


「宇宙最大のお宝を探しているんだが」


なんと、手配書にあるキャプテン・マーベラスさんがいました! 私はジャスミン姉さんの肩を叩くとマーベラスさんにジャスミン姉さんも気づき、ニッコリ笑って近づいて行きます。


「失礼。地球では警察に初めて来たとき、儀式としてこんなポーズをしていただくことになってるんですが」

「ん? こうか?」


素直に両手を出したマーベラスさん。地球に来たばかりだから文化や礼儀に疎いんですね……もちろんジャスミン姉さんはそれを見逃しません。


「ほい。御用(ゴヨウ)」


マーベラスさんの両手首にジャスミン姉さんは手錠をかけました。早業に尊敬しますが、抵抗しないマーベラスさんに少し呆れます。


「ん? なんだこれ」

「キャプテン・マーベラス。諸々(モロモロ)の海賊行為の容疑で――逮捕よ」


ジャスミン姉さんと私はSPライセンスを取り出し、マーベラスさんの周りにたくさんの警官が銃をつきつけました。

あとからマーベラスさんの仲間が来ましたが、この状況で事の成り行きがわかったみたいです。


「S.P.D……宇宙警察か。お前ら賞金に目をくらんでザンギャックの犬に成り下がったのか」

「違います! ザンギャックとなんか手を組みません!」

「とにかく。大人しく渡して全員お縄につくべし」


ジャスミン姉さんが入り口にいるみんなにもそう言うと、マーベラスさんは合図するかのようにクイッと顎(アゴ)を軽く上げました。


「そーいうことなら……」


ルカさんが拳を手の平にパンパンと打ちつけ、警官たちが警戒するように構えると――。


「全員逃げるべし!」


ルカさんを始め、みなさん出て行きました。そのあとを警官の何人か追いかけて行きます。


「待ちなさい!」

「おっとぉ!」


マーベラスさんは止めようとしたジャスミン姉さんを思いっきり足蹴にしたけど、ジャスミンは姉さんは受け身を取ったから怪我はないみたいです。

次々を抑えつけようとした警官たちを、マーベラスさんは倒していきました。


「じゃあな。可愛いお巡りさんと美人なお巡りさん」


そう言って出て行くマーベラスさん。可愛いなんて照れますが……逃がしません!


「ジャスミン姉さん、私が追いかけますからボスに連絡をお願いします!」

「あっ、ちょっと瑞貴!」


いつまでも妹としてじゃなく、一人の警察官として認めてもらうためにも、私は単身でマーベラスさんたちを追いかけます!
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