□完成! 俺だけの必殺技!!
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イギリス代表ナイツオブクイーンとの試合が始まった。エドガー=バルチナスは、距離が離れれば離れるほど強くなる聖なる剣のシュート・エクスカリバーで先制点を取る。

だけど井上瑞貴と円堂守たちイナズマジャパンは、相手の必殺タクティクス・アブソリュートナイツを見事に破った。そのまま豪炎寺修也が爆熱スクリューを決めようとしたが、撃つ直前にエドガーにボールを奪われてしまう。

場所はナイツオブクイーンのゴール前。最悪の展開が待ち受ける。


「受けるがいい! エクスカリバー!」


ゴールエリアから放たれた最強のエクスカリバーが襲い掛かると、壁山塀吾郎が立ち塞がる。


「ザ・マウンテン!」

「ムダだ!」


壁山はなんとか少しでも威力を落とそうとしたが、今までより最強のエクスカリバーはエドガーの言葉を表すように容易くザ・マウンテンを突破して、円堂がいるゴールに向かっていく。


「いかりのてっつい!」


壁山が踏ん張ってくれたおかげで、円堂はいかりのてっついを使って間一髪で防ぐことができた。

そのままボールを回そうとした円堂だが、壁山が倒れたままでいることに気づいた。


「壁山!? 壁山――っ!!」


円堂と瑞貴は壁山のそばに駆け寄ってしゃがむ。


「壁山、大丈夫か!?」

「塀吾郎! しっかりして!」

「キャプテン……。瑞貴さん……」


あれだけの威力を持つエクスカリバーを円堂が止めきれるまで防いだのだ。今までのこともあってダメージも大きいだろう。

ベンチにいる音無春奈も心配そうに神崎シンに向けて呟く。


「壁山くん、プレーは続けられるんでしょうか?」

「立ち上がれないほどのダメージを受けている……これはムリだね」

「染岡、交代だ」

「はい!」


久遠道也が交代を告げると、染岡竜吾は立ち上がって顔を引き締めた。


「壁山! よくがんばったでヤンス!」

「何度もやられたら悔しいっス! イナズマジャパンの失点は、俺たちだけの失点じゃないっスから!」

「!」


栗松鉄平が励ますが壁山は悔しがっていた。円堂は先ほどのエドガーの言葉を思い出す。


『世界の舞台で戦う代表チームは、自分たちの国の数え切れない人々の夢を託されているんだ!』


それでイナズマジャパンは『代表』や『世界一』の意味を改めて知った。もちろん壁山も。だから尚更負けられないと思ったんだろう。


「壁山……」

「わかった。あとは任せて」


瑞貴の言葉に同意するように栗松も綱海条介も頷いた。

DFの壁山を下げてFWの染岡を出したのは攻撃的の布陣に変えるため。アブソリュートナイツは綻びを見せ始めているので崩すなら今だ。壁山はベンチに戻ると染岡に声をかける。


「染岡さん……頼むっス!」

「壁山……。ああ! 必ず点を取ってやる!」


壁山の思いを受け取った染岡はピッチに入った。

試合再開して回されたボールを受け取った風丸一郎太はドリブルで上がって行く。そこにポール=アップルトンがすかさずボールを奪った。


「クソッ!」

「こっちだ!」

「そうはさせねぇ!」


染岡がすかさずエドガーのマークに入った。


「素早いな。ポール、前へ送れ」

「ああ!」


エドガーの指示でポールは前線にパスを出すと、基山ヒロトのディフェンスをかわしてゲイリー=リンクスがボールを取った。そしてフィリップ=オーウェンに回す。


「スーパーしこふみ!」

「ふんっ!」


土方雷電のスーパーしこふみをフィリップはかわした。


「やらせるか!」


そこへ続けて綱海が立ち塞がったので、シュートを撃とうとしたフィリップはバランスが崩れ、撃ったボールは綱海を抜けたがゴールから大きく逸れた。


「いいディフェンスだったぞー! どんなシュートでもゴールに入らなければ得点にならないんだからな!」


円堂が土方と綱海を大きな声で褒める。
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