□英国の騎士! ナイツオブクイーン!!
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本戦に進んだイナズマジャパンの初戦の相手はイギリス代表のナイツオブクイーン。キャプテン・エドガー=バルチナスが試合前の親睦を深めるために、イナズマジャパンをパーティーに呼んだのだが、とある騒動でイナズマジャパンはエドガーの必殺技・エクスカリバーを目の当たりにした。



☆☆☆☆☆


試合当日――朝早くに井上瑞貴は浜辺で日課のランニングに励んでいた。するとタイヤ特訓をする円堂守に気づいて足を止めると、向こうも気づいたようで顔を向ける。


「瑞貴、おはよう!」

「おはよう! ――って、守! よけて!」

「えっ、うわっ!」


タイヤを大きく振り上げたまま挨拶したので、その反動で戻ると円堂を吹っ飛ばした。よく見る光景とはいえ、瑞貴は苦笑してその場に駆け寄ると円堂に手を差し伸べる。


「大丈夫?」

「イテテ……サンキュー」


円堂は瑞貴の手を取って立ち上がると、服に付いた砂を払いのける。


「守がこんなに朝早く起きるなんて。いつもこうなら助かるんだけど」

「アハハ……。瑞貴はランニングしてたのか?」

「うん。いつもの日課。よかったら一緒に走る?」

「ああ!」


首をかしげ問う瑞貴に円堂は即座に頷いた。

二人は並んで砂浜を駆けて行くと、円堂が何かに気づいて目を向けたので、次いで瑞貴もそれに続くと、海辺の近くで潮風に当たっている豪炎寺修也と鬼道有人がいた。円堂と瑞貴は顔を見合わせると二人の元へ駆け寄る。


「おはよう! 鬼道! 豪炎寺!」

「おはよう!」

「ああ。おはよう」

「二人共、こんな朝早くからランニングか?」

「まあね。日課だしトレーニングも兼ねて」

「俺はなんだか、ジッとしてられなくてさ」


鬼道、円堂、瑞貴、豪炎寺は並んで朝焼けに輝く海をジッと見つめる。その表情は緊張感があった。


「ついに、俺たちの力が試されるんだな。世界の舞台で」

「ああ!」

「日本の――私たちのサッカーをぶつけてやろう!」

「そうだな」


しばらく海を眺め、四人は練習するために宿舎のグラウンドへと戻って行くと……そこにはすでに自分たちを除いたイナズマジャパンが練習していた。


「こんな朝早くから練習か!」

「みんな、おはよう!」

「キャプテン! 瑞貴さん!」


グラウンドに入ってきた円堂や瑞貴たちを、栗松鉄平を始め次々と集まってきた。不動明王だけは離れた場所でリフティングをしている。


「やっぱり、お前たちもジッとしてられなかったのか」

「ああ。気合いが入っちまってさ。ほら、見せ付けられただろ? エドガーって奴の必殺技」

「あんな強烈な相手と戦うかと思ったら、居ても立ってもいられなくって!」

「そ、そうっス。寝てられないっス」

「俺、自分のサッカーが通用するかどうかわからないでヤンス……」

「みんな……」


綱海条介や立向居勇気はまだしも、壁山塀吾郎や栗松は不安もあるのだろう。アジア予選でも苦戦する場面が多かったのだから。
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