□行くぞ! 宇宙へ!!
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「みんな!」

「話は空野から聞いたぞ!」

「でもさ、ただで宇宙旅行できるなんてラッキーだよな〜」

「狩屋、遊びじゃないんだぞ」

「相手は宇宙人なんだろ? スッゲー面白い戦いになりそうだな!」

「車田さん、地球の運命がかかってるんですよ」

「いーや、天馬たちなら大丈夫だド!」

「ああ! 頼んだぞ、俺たちの分も! 見せてやれ、雷門魂をな!」

「はい! 絶対に優勝して帰って来ます!」


呑気に言う狩屋マサキをたしなめる霧野蘭丸も、ワクワクしている車田剛一に呆れる倉間典人も、応援してくれる天城大地や三国たちも、天馬にとって今はチームが違えど頼もしい仲間である。


「なあ、なんかムズムズしないか?」

「このメンバーだったら、サッカーでしょ!」

「そうですよ! みんなでサッカーしましょうよ!」

「ああ、いいな! よーし、やるぞみんな!」

「「「「「オウッ!」」」」」

「――俺も入るぞ」

「神童さん!」


車田や浜野海士や天馬や三国のように、他のみんなもサッカーがしたくてたまらなかっただろう。そしてそこには新たに神童もやって来て参加する。

――残り一人の雷門メンバーである剣城は、見送りに来た剣城優一と共にタクシーでやって来た。手術のあと優一はリハビリもがんばって松葉杖を付いて歩けるくらい回復していた。


「悔いの残らない戦いをして来いよ、自分を信じて。――まっ、お前のことだから心配してないけどな」

「兄さん……!」


剣城もまた優一に宇宙へ行くと知らせたが、優一はそれを信じて弟を未知なる宇宙への旅立ちと地球の運命を託した。

すると近くのグラウンドで天馬や神童たちを含め、雷門中サッカー部が集合してサッカーしているのが見えた。それに剣城はなんだか懐かしい気持ちがして一歩前に出る。


「行って来い、京介」

「うん」


優一に一度振り向いて頷いた剣城は、その場から駆けて行きみんなと合流するのだった。

代表になってから全然会えない日々が続いていたが雷門にいた頃よりも強くなっているので、三国たちは誇らしい気持ちでいた。


「レベルを上げたな、三人共……!」

「はあっ!」

「ナイスカット、天馬!」

「アハッ!」


浜野にスライディングで動きを止めた天馬に、信助はゴールから声援を上げる。

そしてそのままラインの外へ転がって行くボールを足で止めたのは瞬木で、周りには座名九郎も含めたアースイレブンのメンバーもいたことに三国たちは気づく。


「おっ、噂のアースイレブンか!」

「みんなもおいでよ!」

「えっ、いいの?」

「もちろんだ! サッカーで語り合おうじゃないか! さあ、来い!」

「ちゅーか、テンション高過ぎっしょ……」


天馬たちの誘いに瞬木は躊躇すると、三国は大歓迎だと拳を手の平にぶつけるので浜野は呆れた。だが瞬木を始めとするアースイレブンのメンバーはその誘いに嬉しく思い、ユニフォームに着替えて参加する。


「やるな!」

「フッ」


瞬木はドリブルで霧野と青山俊介を抜き、九坂は天城との競り合いにも負けず、鉄角は狩屋からスライディングでボールを奪い、さくらは倉間をボールごとジャンプしてかわし、真名部はダブルディフェンスに来た車田と速水鶴正を皆帆との連携でかわした。みんな全国大会に優勝した雷門中サッカー部に負けていない。


バシュンッ!


「ふっ!」

「…………!」


倉間のシュートを正面でがっちり受け止めた井吹に、同じGKだから信助は特に一目を置く。

その後もドリブルする座名九郎はうしろから来る浜野をかわそうとし、一乃七助が青山にボールを送ると好葉が間に入ってパスカットしていた。


「おっ、やってるな」

「みんな楽しそう!」


井吹のいるゴールのうしろの土手の上で、円堂と瑞貴もやって来た。雷門中サッカー部もアースイレブンもイキイキと楽しそうにサッカーをしている。


「お前たちは、この地球で誰も達成したことのない宇宙一に臨むんだな」

「宇宙人とサッカーするなんて純粋に考えると、ちょっとうらやましい?」

「まあな。俺もやりたいくらいだ」

「私たちのときは達成したと思ったけど、全然違ったからね」

「それ、ヒロトや緑川の前で言うなよ?」


昔を懐かしみながら笑い合う円堂と瑞貴。もし普通の宇宙サッカー大会とかあったら自分たちも選手として参加したいだろう。
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