イナズマイレブンGO(アニメ版)

□化身の脅威! 万能坂中!!
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「フッ」

(フッ。少しはできるみたいだな)


雷門中を潰すというプレーに磯崎が笑うと、剣城も一連の様子を見ていたので感心していた。


「大丈夫大丈夫。あんまり正面だったから、ついカットし損ねちゃってさ……」


車田に手を引かれて起き上がった浜野。なんとかプレーを続行できる様子に音無春奈やマネージャー組はホッとする。


「それにしても、今のボール……!」

「単なるパスには思えない威力だド……!」


霧野も天野大地も相手が本当にパスミスしたとは思えない。それを確認するように天馬や神童が顔を向ければ、磯崎たちは顔を見合わせて笑っていた。


「フッ、チョロいモンだぜ。ん? ――フッ」

(まさか、あいつら……!)


視線に気づいた磯崎は神童たちに向けて笑っていた。その様子は隠すつもりもないらしい。

万能坂中のスローイングで試合再開。逆崎がどこに投げるのかと天馬や神童は警戒する。


(渡すもんか……!)

「潮!」

「毒島!」

「させるかー!」


逆崎から潮賢次郎にボールが渡る。パスを回させるものかと天馬は阻止しに行くが、潮は天馬に気づくとパスしようとした足を止めた。さらに……!


(1、2、3!)

「うわあ!」

「「「「「!?」」」」」

「「天馬!」」


なんと潮はタイミングを見計らって接近する天馬にぶつけるようにボールを蹴ったのだ。さらなるラフプレーに雷門中サッカー部は驚き、葵と水鳥は声を上げた。


「毒島!」

「うっ…ううっ……」

(極限まで引きつけて、ダメージを最大にしてきたか)

(今の動き、間違いない!)


改めて潮は毒島兼真にパスを回した。だが天馬は体を押さえて倒れたままで、剣城は上出来だというように笑った。そして神童は推測から確信に変わって他のメンバーに伝える。


「みんな、気をつけろ! あいつらは俺たちを潰すつもりだ!」

「潰す!?」

「あのときみたいに……!」


葵がどういうことかと叫ぶと、神童は剣城を見ながら入学式に起こったことを思い出していた。

剣城が所属していた黒の騎士団は、確かに大量得点を奪っていったが目的は雷門中サッカー部を潰すこと。そのために次々とボールをぶつけていたのだ。


「「「「「!」」」」」

「それであんなキックを……!」


霧野たちも身に沁みているためにわかった。パスと見せかけて浜野を狙ったのも、ワザと引きつけて天馬にボールをぶつけたのも、自分たちを潰すためなのだと。磯崎と剣城はニヤリと笑っている。


「今頃気づいても遅いけどな」

「フッ」
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