イナズマイレブン(漫画版)

□呪いの挑戦状
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『呪いがあなた方を凍らせる。それは更なる恐怖を招くだろう。我々と試合をしたまえ。

さもなくば大きな災いがあなた方を包むことになる。

――尾刈斗サッカー部』


手紙の内容に部員はどんどん顔を青ざめていく。


「イタズラですよね!!」

「でももし本物だったら……」

「大きな災いって書いてあったでヤンスよ!! 呪い殺される〜〜っ!!」

「こ…ここと試合やらなきゃ! 無視したらオレたち死んじゃうかもっス!! 怖いけど」


五郎も半田も栗松も壁山を含め、みんな手紙の内容を恐れている。そんな中円堂は……。


ビッ!!


なんと大胆に手紙を破り、しかもクシャクシャに小さく丸める。もちろんこの行動に壁山や染岡や栗松や他の部員は慌てる。


「何やってんスか円堂センパイ!!」

「よく考えろ円堂!」

「オレたち死ぬかもしれないでヤンスよ」

「うろたえるな!!」


円堂は仲間に渇を入れると、瑞貴も染岡の背中から出てきた。


「呪いだの祟りだので人を脅かすって根性が気に入らねえ。こことの試合はやらん!!」

「守……」

「さすが円堂センパイ。カッコいいです!!!」


五郎が目を輝かせて円堂を褒める。栗松も不安ながら「だ…大丈夫かなぁ!」というが先程より慌ててない。

するとグーッという腹の虫が鳴る音が秋以外から聞こえた。


「それじゃ、そろそろ帰ろーぜ」

「ちゃんと掃除してからね」


瑞貴がゴミとなった尾刈斗中からの手紙を指差すと、全員円堂に振り返り、円堂はちゃんと手紙をゴミ箱に捨てたのだった。



――それから全員制服に着替え、散り散りとなって下校する。


「守。昨日のお詫びになんか奢るよ」

「えっ。別に気にしなくていいぜ」

「ダメ。私のせいでボロボロになっちゃったんだから」


気づかなかったとはいえ、仲間に本気で成敗する勢いだったから瑞貴には負い目があった。

そんな必死な気持ちがわかったのか、円堂は「う〜ん」と唸り次いで拳をポンッと手の平に拳を叩く。


「じゃあ行きたい所があるんだ! それに付き合ってくれ!」


そう言った円堂は瑞貴の返事を聞く前に、瑞貴の手を取って走り出した。


「円堂の奴……何瑞貴を連れ出しているんだ」


豪炎寺は二人の様子を気にかけながら、帰宅路も兼ねて二人の後を付いて行く。



☆☆☆☆☆


「ここだ」

「ここって……墓場――っ!?」


円堂から案内された場所は、昨日豪炎寺が目撃した場所でもあった墓地だった。

円堂は「こっちこっち」と言って瑞貴の手を引くとある一つの墓の前に止まり、手を離して座り込む。そこには『円堂大介』という名前があった。


「守…この人って……」

「俺のじいちゃんの墓だ。じいちゃんはかつてのイナズマイレブンだったんだ」


全国優勝確実と言われながら志半ばで亡くなった、かつての雷門中サッカー部の監督――それが円堂大介。


「俺はそんなじいちゃんの遺志を次いで、雷門中サッカー部を『イナズマイレブン』にしたいんだ。だからサッカー部に何かあると俺はじいちゃんに報告してる」

「……だから夕べもここにいたんだね」


瑞貴は大介がどうなっているかを知っている。でもそれは彼の目で確かめた方がいい、そう思い円堂の隣に座る。


「守。私も絶対に自然の(ナチュラル)プレーヤーになる。そしてみんなでイナズマイレブンになろう!」

「ああ!」


二人は大介の墓に体を向けて手を合わせた。


ヒッヒッヒッヒッ――…………。


「な、何!?」

「っ!」


不気味な笑い声と共に霧が出てきて、瑞貴は怖がって無意識に円堂の腕にしがみつく。対して円堂はいきなりのことに頬を染めるが、この原因が先決だったので顔を声がした方に振り向く。


「墓参りとは、ずいぶん信心深いですねぇ。円堂守、井上瑞貴……」


霧の中から四人の少年たちが現れた。


「呪いの手紙は気に入ってもらえましたか?」

「あんな不気味な手紙、気に入るわけないでしょ!」


瑞貴は、未だに円堂にしがみつきながら相手に怒鳴る。彼らの正体は……。


「円堂センパイ、瑞貴さん! あいつら尾刈斗中の奴らですよ!」

「み…みんな」

(そういえば後をついてきたんだっけ)


どこからか現れたのは、五郎、栗松、豪炎寺だ。円堂は彼らの登場に驚き、瑞貴は原作を思い出す。
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