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□3分クッキングその5
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peanut♪ peanut butter and jelly♪
peanut♪ peanut butter and jelly♪

 今日も陽気に歌う彼女は3時のオヤツにサンドイッチを作ろうとしている。

First, you take a peanut then you dig'em, you dig'em, you dig'em×3
then you smash'em, you smash'em, you smash'em×3
and you spread'em, you spread'em, you spread'em×3

 かなりジャンクなこの組み合わせはさすがに朝食や昼食に出すことはできないが、おやつとしてなら大丈夫だろう。

 そう考えながら右に左にツイストしていると、ちょっと驚いた顔をしてココがキッチンを覗いてきた。

「Count on me, sir! Why don't you have a sheat and relax? I'll be there in 5 minutes」
(任しといてくださいよ〜。ささ、のんびり座ってて下さい。あと5分でできますから)

 ちょっといたずらっぽくそう呼びかけて最後の仕上げにかかる。仕上げも何も、ピーナッツバターを塗ったパンと、ブルーベリージャムを塗ったパンを合体させれば良いだけなので、特に何が難しいという訳でもない作業だ。
 歌詞のようにいちいちピーナッツを掘る所から始める訳でも、ブルーベリーを摘む訳でもない。
 正にpeace of cake(簡単簡単♪)だ
 お茶はきっとストレートがいいよな。なにせこのサンドイッチはかなり味が濃い。

oh〜 peanut♪ peanut butter and jelly♪
Then you eat the sandwich and you bite it, you bite it, you bite it×3
Then you chew it, you chew it, you chew it×3
Then,Oh you choke! you choke! you choke!×3

「Mire! No se ve buenissimo? (見て下さい!美味しそうじゃないですか?) 」

 一口サイズに切り分けたサンドイッチを乗せたオーバルプレートを掲げ、そう自画自賛しながら振り向いた瞬間。

「ちょっとごめんね」
いつの間にか背後に出現したココが突然熱烈なキスを仕掛けてきた。
 驚いた彼女の手から滑り落ちる皿はさりげなく受け止めてキッチンに安置する。

「〜〜!?」
 午後の柔らかな光が差し込むキッチンには似つかない濃厚な口付けに、薄暗闇の中でさえ恥じらう彼女は必死に抵抗を試みる。
 それはそれで楽しんで、そろそろ良いかな、と、絡み合った舌をほどこうともがく彼女を開放する。

「んなっ!? 何事ですか!?」
 頬を赤く染めてパニクる彼女を見て、ココはホッとしたように「ちょっと、ね」と満足げに笑ってキッチンを後にする。
 あっけに取られて動けない彼女の為に、サンドイッチの入った皿を持っていくことも忘れない。
 しばらく固まっていた彼女は、やがて気を取り直したように赤い顔をしたままお茶の準備の続きを始めた。

(あぁ、びっくりした)
 そう呟きながら頬をぴたぴたと叩く彼女は気付かない。

 彼女の悪ノリを間に受けて、また彼女と言葉が通じなくなってしまったと勘違いしたココが、必死におまじないのかけ直しを試みていた事を。

(あぁ、びっくりした)
再び席に着いたココは、こっそり安堵の息をついた。

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