sirena

□comedor
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【食堂】

ナナの服はほどなくして届いた。

グルメデパートとやらでトリコが厳選してくれたハント専用の服は、ナナとしては「インディージョーンズ」にしか見えなくて、箱を開けた瞬間思わず笑ってしまったが、ものは確かに良いらしい。
 
服は上下共に色はカーキ。
 
野外活動において最もポピュラー且つオーソドックスな色だ。

 
長袖長ズボンなのは身を守る為にもナナの体質をカバーする為にもうってつけで、この点においてのみココからの評価を得た。

袖やら胸元やらにはポケットがついていて、今は用途が不明だが、きっとその内ここが様々なハントグッズで沢山になるのかと思うと、ついワクワクしてしまう。

ややツバの広いキャップも色がきちんと合わせてあり、全てを身に纏うとそれだけで何だか自分がその道のプロになった気がした。

ココが持ち帰った一式の装備を身に纏い、早速彼に御披露目する。

「どうですか?着方はこれで合ってますか?」

クルリと彼の目の前で1周回れば、ココはうん、と頷き、「できればあのボディスーツも着た方が良いと思うよ」とナナにアドバイスした。

「なる程、確かにそうですね。それにしても、ココさんのお店に郵送なんてちょっと意外でした。トリコならまたアポなしでこっちに乗り込んでくるかと思ってましたけど」

帽子に指を突っ込んでクルクル回しながらふと尋ねれば、「また大物狙いのハントに行くらしいよ」と答えが帰ってきた。
 
お、じゃぁ前回みたいにまた助太刀ココさんの出番もあるのかな?
 
という事は私も意外に早いハントデビューになるのかもしれないのね。

なんてナナが思った事がそのまま顔に出てしまったのか、はたまた思考が電磁波となってナナの体から立ち上がっていたのかは分からないが、ココは的確に「今回はIGOも美食會も関係ないハントだ、ボク達が関わる事はないだろう」と返してきた。


「ちぇ、残念〜」

そう言いながら、それならとナナは服を着替えるべく自室へと戻って行く。

その後ろ姿に向かってそっと「今はまだ…ね」とココが呟いた。

「え?何ですか?」
 
ナナは何か聞こえた気がして振り向いたがココは既に夕食の支度に取りかかるべくキッチンに行ってしまっていた。
 
そんなココを手伝うべく、慌ててナナも自室へと着替えに向かった。
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