sirena

□El sol
1ページ/6ページ

【太陽】

西の空が夕焼け色に染まる頃、ナナは若干疲れた足取りでココと来た道を戻っていた。

ココはと言うと、大量の荷物を運びながらもその足取りはむしろ軽い。

(なんでもかんでもホイホイとカードで支払いって、何?占いってそんなに儲かるの?)

さすがにそんな失礼な事は聞けないが、ついそんな心配までしてしまう。

「疲れたかい?そろそろキッスに来て貰おうか?」

振り返ったココにそう聞かれ、ナナは「ぜひぜひお願いします」と半ば本気でお願いする。

その頬も鼻の先っぽもほんのり赤く染まっていて、確かに今日は沢山歩いたしな、とココはキッスに合図を送った。

すぐにキッスが現れ、「ア゛ー」と鳴く。
「え?そんなに赤いですか?」
頬に手を当ててナナが聞き返す。

どうやらキッスにも頬の赤さを指摘されたらしい。
「今日は朝から良いお天気でしたからね。ちょっと日に焼けちゃいましたかね?」

自分で自分の頬をピタピタとしながらナナがそう言えば、ココもそこで初めてその可能性に気付く。

「本当だね。帽子も買うべきだったな」

「えぇ〜?これ以上はもう勘弁して下さいって〜」

どうやら本気で嫌がっているナナを見ながら、ココはつい笑ってしまった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ