secret
□言えるように
2ページ/2ページ
映画の内容は未来から来た少女と現在に存在する青年の恋の話で、そこに色々と複雑に絡み合うありきたりな映画だった
見終わりファストフードのお店で、遅めの昼ご飯を食べていた
「あんまり面白くなかったですね」
ハンバーガーをかじりながら、チャニが言う
「まぁ、ありきたりだったが俺的には面白いと思ったけどね」
「ありきたりの映画が?」
「あぁ、はっきり言うと内容はほぼ覚えてないけど」
少し笑いポテトをつまむ
「覚えてないんですか?」
「正確には君が隣に居たから、映画を覚えられるほど余裕がなかったからなんだけどね」
「ヒョンは、本当にズルいです…/」
「ズルくはないだろ」
「ズルいですよ、そんなにストレートに普通言えないし、そんな事言われたら余計好きになっちゃいます…//」
頬を赤らめ、少し俯きがちにストローをいじりながら呟くチャニ
「君もかなりズルいけどね?」
「僕も?」
顔を上げ見つめられる
「無自覚なら俺よりズルいよ」
苦笑しながら見つめ返す
「ヒョンは難しいです」
「いや、俺はかなり単純だよ?」
「そうなんですか?」
だって、さっきのチャニの一言で表情には出さないようにしたけど、今までの疲れとか吹っ飛んだ気がしたんだから。
なんて、言わないけどね?
「そうなんだよ」
俺は微笑みながら答えた
(いつか言えるようになりますように…。)
END