secret

□Be mine
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そのあと、ソンジョンは無事彼女と仲直りしたらしい。
ソンジョンが笑顔になるのは嬉しいが、複雑だった。俺にはあいつを笑顔に出来なかった。
それが、物凄く悔しくて彼女を憎んだ
俺なら、泣かせることなんてしなくて常に笑顔でいさせることが出来るのに…。

そこから、カムバックが目前になり今まで以上に忙しい1ヶ月間を過ごした。寝る時間は3時間も寝れればいい方だった。
それ以外はバラエティー活動や、ダンスの練習に費やしていた。

そんな中ソンジョンは、疲れているように見えた。いや、確かにこの状況で疲れない方がおかしいんだけど…、俺たち以上に疲れきった顔をしている。
みんな心配で、練習の合間に声をかけるがあいつは笑顔で心配しないで、大丈夫だからと答える

大丈夫な訳がないのに。
心配で練習に支障がないように、終わってから声を掛ける

「大丈夫か?」

水を渡しながら隣に座る

「大丈夫だってば〜」

水を受け取ると即座に笑顔をつくって、ごまかす

「大丈夫じゃないだろ?泣きそうな顔してる」

「なんで…、ヒョンは僕に構うの?他のみんなは大丈夫だって言えばその先は何も言わないのに…」

涙を浮かべながら、俺を見つめる

「それは…」

好きだから、なんて言える訳ない

「……メンバーだし、年が一番近いから」

「そっか…」

少し残念そうな顔をするソンジョン

その顔は何なんだよ、期待するから辞めてほしい…

「行くぞ」

腕を掴み汗だくのままソンジョンを立ち上がらせ、練習室を出て行く

「ソンジョン!エル!どこ行くんだよ!」

後ろでソンギュヒョンの声が聞こえたが、気にせず出て行く

「ヒョン…っ、どこ行くの?」

不安そうにしながらも俺に素直に引っ張られるソンジョン

「カラオケボックス」

「僕、財布持ってきてないよ?」

「俺が持ってるから気にすんな」

タクシーを捕まえて近くのカラオケボックスに入った

「カラオケするの?歌の練習なら、先生に見てもらった方が…」

「歌の練習なんかじゃない。お前の話を聞くためだよ」

部屋の中に入り座った

「話なんて、何もないよ?」

「また、彼女と何かあったんだろ?」

「なにもないってば」

俯いて声が震えている

「分かりやすすぎ…」

思わず抱き締めた。

「ヒョ…ン…っ」

ソンジョンは俺に抱き締められたまま涙を流し、話し始めた



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