連載もの3

□地獄の沙汰も仕事次第
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「それでは亡者をここへ!!」



閻魔大王の合図と共に一人の亡者が閻魔大王の前にやってきた。



「一護くん、この亡者の罪状は・・・」



一護は広げていた巻物に視線を落とす。



「・・・万引き。しかも結構やってるぜ。
こりゃ煮込むしかないか。ざっと見積もって170年か」



「う、嘘だ!!俺はやっていない!!デタラメ言うんじゃねえ!!」



「嘘つけばプラス1000年だ」



「ちょ・・・ちょっと一護くん?」



「そんなに言うんだったら証拠見せろよ!!」



「だってよ大王」



「じょ、浄玻璃の鏡をここへ!!」



「ほい」




一護は亡者の上に年寄り男性の顔と若い女性の顔がついている杖をのせた。



「な、なんだよこれ・・・」



「人頭浄。平たく言えば嘘発見器だ。で、万引きしたのかよ?」



「し、してねーよ!!」



亡者の言葉に反応するように年寄りの男性の方の口が開き、亡者に向かって火を吹いた。



「あちー!!」



「あ、今映りました」



別の獄卒が浄玻璃の鏡のリモコンを手に言った。
浄玻璃の鏡には店で万引きをする亡者の姿が映っていた。



「ばっちり映ってるな」



「デタラメ言ってんじゃねえぞ!!」



亡者は一護を目掛けて殴りかかろうとした。
しかし、一護は慌てることもなく手近にあった金棒を手に取り亡者の顔を殴りつけた。
返り討ちにあった亡者は倒れ、ピクリともしなかった。



「で、こいつどうすんだよ」



「え、あー・・・コホン。熱湯大釜地獄670年の刑に処す!!」



倒れた亡者はそのまま獄卒の鬼に抱えられて閻魔殿を後にした。



「・・・半減したな」



「嘘1回で1000年はいくらなんでも酷いと思って・・・」



一護は溜息をついた。



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