Fourth Book
□脱出
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水路
「今、ここだ。俺たちがでるのは第19排水口」
「こちらの16排水口は」
「そっちは遮蔽物がありすぎる。奴らも待ち伏せがしやすい」
「わかったわ。だけど、この15へ続く場所は」
ティアが、まったく遮蔽物がなく、上から狙い放題の開けた場所を指して、違う道をいくようにいう
「大丈夫だ。ここには神様が住んでる」
「運まかせなんて」
さすがに、運まかせでいくほど甘くない相手であることをわかっているので、ティアが怒りを露にする
「運まかせじゃないさ。午後8時、ここには水が流れだす」
「水が流れるの」
驚きを露にする中、ルークはいたって平然としていた
「これなら、完全に逃げ切れる。多少は賭けをするしかないだろ、暗部相手なら」
「……そうね。それで、潜っている間は」
「直線距離にして300メートル、時間にして約4分から4分半っていったところだな。まあ、泳ぐっていうより流される感じだがな」
「酸素ボンベもなしには無理ね」
「譜歌があるだろ」
「譜歌があったところで」
無理だとさとり、違うルートを探そうとするが、ルークが第二譜歌についていうと考えをかえる
「たしかに、極力フィールドを狭めて、フィールド自体の密度をあげれば、可能よ」
「いざとなったら、俺を捨てろ。その分の空気の量もフィールドの密度もすべてが上昇する」
「……わかったわ」
「そうか、じゃあいこうぜティア」
「ええ」
気配を消しながら、薄暗い道を走っていく