Second book

□絆の力
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「ハァハァ」

「ハァハァ」

「さすがにやるな」

「……これほど、身体が沸き立つ戦いは、はじめだ。さあ、続きだ」

ガイの刀とバルバトスの戦斧がぶつかり合い、すでにぼろぼろになった広間に、衝撃がはしる

「グッ」

「クッ、ブラッディクロス」

「チッ、雪月花…ってな!氷月翔閃」

互角の威力、互角のスピード、身体能力はほぼかわらぬ二人の戦いは、互角であるがため、長期戦になり、戦いが始まってから、すでに、40分以上の時がながれていた

「ガハッ」

「グハッ」

両者の身体から、血がポタポタと地面に落ち、それに比例するように、息はあがり、集中力や体力はどんどん減っていく

「死ぬがいい!斬」

バルバトスが戦斧に力をこめ振り下ろすが

「もらったぜ!紫電の力!獅吼爆雷陣」

雷撃を受け、バルバトスの身体が宙を舞う

「クッ、こっちも擦ってたか」

先程の攻撃で、バルバトスの戦斧が擦ったらしくガイの腹部から血が流れだす

「ん?」

気配に気付き身構えると、そこには、ナタリアが傷だらけで階段を上ってきていた

「やはり、ガイは約束はやぶりませんでしたわね」

「あたりまえ……クッ」

ナタリアを抱え、真空の刄をなんとかかわす

「グッ」

「ガイ!」

ガイの腹部の傷が広がり、さらにナタリアをかばったとき、かわしきれず、肩を少しえぐられてしまう

「まだ、生きてたのかよ」           
「この程度では、死ねぬわ」

バルバトスの戦斧と腕が融合し、すでに人の形をしてはいなかった

「人であることを捨ててまで、勝利に執着するとはな」

「貴様に勝てるならば、たとえ二度と戻らずともよい、さあ、俺を楽しませてくれ」

すさまじい勝利への執着心が、ぼろぼろになったバルバトスの身体を突き動かし、力も増していた

「受けてみろ!ジェノサイドブレイバー」

「チッ、(避ければナタリアにあたる)受けて立つ」           
ガイが刀を抜き再び、構える

「貫け凍りの刄!絶衝氷牙陣」

エネルギーの塊と氷の塊がぶつかり合う

「おぉぉ」

「はぁぁ」

相殺し、両者が吹き飛ぶが、怪我の差か、勝利への執着なのかバルバトスはすぐに起き上がる

「さすがだな。では、我が最大秘技で死ぬがいいガイラルディア!三連殺」

炎を纏った轟炎斬、風を纏った斬空断、地の力を纏った裂砕断が、ガイの身体を天、高く打ち上げる

「ガハッ」

「ガイ!」

ナタリアが、ガイに駆け寄るが、すでに息をしていなかった

「お前ー!」

怒りにまかせナタリアが、矢をいるが、バルバトスはすべて弾きとばし

「共に送ってやろう」

ナタリアにバルバトスの戦斧が襲い掛かり、斬られたとナタリアが思った瞬間、ガイがそれをとめていた

「貴様、なで……馬鹿な意識もないやつがなぜ」

「ガイ」

「この女か」

ガイごとナタリアを斬り裂こうとするが、すべてそれをとめる

「死にぞこないがぁぁ!」           
再び三連殺をはなつ

「ガイ!」

バルバトスの攻撃があたる寸前に、紅蓮の炎がガイをつつみこみ、鳳凰の形となり、鳳凰を纏ったガイがバルバトスを天高く打ち上げながら、飛翔し炎がバルバトスを焼く

「ガハッ」

地面に叩きつけられ、さらに炎が身を包み

「クッはははは、楽しかった楽しかったぞ!ガイラルディア!またやろうぞ、はははは」

炎がバルバトスを滅す

戦いの中にのみ生きる意味を見いだせし、武士は、心の力、護るべき者を護ろうとした碧き騎士に敗れさった
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