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□Disappear
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一週間後、音信不通のまま、ただ時だけがながれていった
「ティア様、少しお休みくださいませ、お体にさわりますわ」
「ありがとう。でも、大丈夫よ。もう少しだけいたいの」
月明かりが照らしだす。中庭にルークを想って、歌を歌った。あの時とおなじように
(ルーク、聞こえてる。私の声が)
途中から涙がぽつぽつと流れだしていた
「ルーク」
つぶやくように言葉を紡いだとき、暖かな熱がティアをつつみこんだ
「なんだよ。ティア」
「………」
言葉はでてこず、涙があふれだした
「ごめんなティア。心配かけちまったな」
「……ルークのばか。心配かけてばっかりで……」
最後のほうはなにをいっているのか、わからなかったが、でも、ルークはずっと抱き締めていた
「ただいまティア」
「グスッ…おかえりなさいルーク」
月明かりのもと影が重なり合っていた。お互いをたしかめあうように