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□Reunion
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タタル渓谷


「やはりここにいましたのねティア」

「ナタリアみんな」

「ルークの成人の儀がはじまるぞ」

「お墓の前でやる儀式なんかに興味はないもの」

「しかし夜の渓谷は危険です帰りましょう」


ジェイドのことばで全員がうごきだすなかただひとりティアのみがその場にとどまっていた


あなたを想い一日とて忘れた日はなかったあなたに逢えてあなたと共に旅をして別れたことも帰ってくると約束してくれたこともルークあなたに逢いたいあなたにふれたい愛していますあなたのことをこころから


「ティア」

「ごめんなさいいまいくわ」

ガイによばれやっとその場を放れて皆の方へ歩きだしたその時一陣の風と共にセレニアの華が風になびくなかきっとこえはでてはないだろうだがたしかにティアには聞こえていた待ち焦がれた愛しきものが自分を呼ぶ声が

「ルーク」

思わず無意識に彼の名をよび振りかえればそこにはみまごうことなき紅蓮の髪の愛しき人がたっていた

「ルークあなたどうしてここに」

「ここからならホドが見渡せるそれに約束したからな」


言葉をつむぐよりもただ無意識にティアは走りだしていた最愛の人のもとへ


「やっと逢えたなティア」           
           
ルークの腕にだかれティアは涙をながしつづけた


「バカおそいわよ」

「ごめんそしてただいまティア」

「おかえりなさいルーク」           
           
二年前のあの日から一度も笑うことのなかった少女はこの時やっと笑顔をみせたやっと逢えた愛しき人の暖かな腕のなかで
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