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□Night
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「よし、決めた」
「なにが」
「あーあ、ティア今度シュリを舞踏会に出席させるぞ」
ティアの目の色が一瞬でかわる
「だめよ!舞踏会って二日後でしょ。あの子踊りなんてできないし、礼儀作法もすぐにさぼるしまつなのよ」
「そうなのか?だが色々なところで評判いいぞあいつ」
「それはそうでしょ。あの子の趣味と町の人たちの利害は一致してるもの」
「魔物退治か」
シュリは暇であると、父やガイその他ナタリアやアニスなどに武術を教わり、そうとうなものとなっている腕をためしに、魔物退治をしにいくのだ。ちなみに、はじめに護身程度にと、武術を教えたのは、今は魔物退治に大反対のティアである
「だから、わかるでしょ。そんなことばかりやってるから、そっちは、からっきしなのよ。恥をかくだけだわ」
「そうだな。だがもうすぐあいつも17だからな。そっちのほうもなんとかしないとな」
「そうね。メイド長さんとラムダスさんに手伝ってもらってなんとかするわ」
そんな両親の会話を立ち聞きしていた話のもとと、その姉はというと
「あんまり母さまと父さまに迷惑かけちゃだめよシュリ」
「はいはい、今後気をつけます」
そそくさと自分の部屋へといった
「もう……二日後かライシスに逢えるかな〜」
乙女全開で妄想にふけるアリアだったが、ティアの声で我にかえる
「アリア」
「ははい」
「どうしたの?」
「ななんでもないです母さま」
「そう」
ティアが熱でもあるのかとおもい、アリアのおでこと自分のそれを重ねてみるが、なんともなく少し安心する
「熱なんかありませんよ母さま」
「そうみたいね。ということは、ライシス君のこと考えてたのね」
「なっちがいますよ///」
「あら、顔が真っ赤よアリア」
「もうからかわないでください」
「ふふ、ごめんねアリア」
そんな話をしながら、ドレス選びをはじめるため、二階へとむかった