日常

□わんわん
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ある日チャニョルが、大型犬を連れてやってきた。

ふわふわの毛並み。ゴールデンレトリーバーだ。


「どうしたの?それ?」


チャニョル「撮影に使ったわんわん。遊んでいいよって言うから、午後まで借りてきた。ヌナ、散歩一緒に行こ?」


「え、今っ?」



私はデスクの上にペンを置くと、椅子の背凭れにかけていた上着を羽織って、シュシュで束ねてた髪をほどくと、少し前髪を梳かしながら入り口のところに立ってる彼のそばに寄っていった。





「・・だいじょう、ぶ?」


チャニョル「なにが?」


「いや・・仕事中・・だった、から・・」


チャニョル「いや、オレもだけど、??」


「そうじゃないよ。チャニョルはもう撮影用でビシッ!と決めてるじゃない」


チャニョル「あ、そうゆうこと?別にヌナの私服はいつもかわい〜〜よ〜〜だ」


「うそばっかり」



リードを持っている彼が、今日は手をつながないで先を歩いていく。私はその後を追うように彼に並んだ。


チャニョル「手ぇつなげないこと、拗ねてんの?」


見透かされたように笑われて、私は少しほっぺたを膨らませた。



チャニョル「ちょっと・・、会いたくなっちゃっただけだよ」


「・・・え?」


チャニョル「撮影中に急になんか落ち込んでさ。ヌナに会いたいな〜〜って!」


「え、それで・・来て、くれたの?」



チャニョル「来て欲しくなかった?」


「そんなことない!嬉しいよ!」



精一杯チャニョルの行為を受け入れたら、チャニョルはそんな私の顔をみてうれしそうに笑った。




チャニョル「わん、わんっ」


「え、えっ?なに・・っ?」


チャニョル「たまには、オレのリードも引っぱってくれないと、オレ拗ねちゃうよ?」


「へぇっ?」



驚いた顔をしていると、チャニョルがふんわりと笑って言う。






チャニョル「ヌナはオレのごしゅじんさまなんだからさっ!」




「・・・そうだねっ!」


私は、彼がリードを持ち替えて空いた方の手を、ぎゅっ、と握ってあげた。




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