BOOK1
□back horn
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きぼむとおそろいのピアスをつけるようになってから数日。
「それいいよね」なんてあいつが俺の左耳につけてるピアスを指して言うから、「やろうか?」なんて言って。俺がつけ外しているところを、リビングに入ってきたテミンが、冷ややかな目で見ていた。
テミンはまだ俺を許してるわけじゃない。
「それじゃあミノ兄はどうなるの?」って食い下がってきたあいつに、俺が「あいつはノンケだから・・・・いつまでも俺に付き合わせてちゃ悪いだろ」っていった言葉が気に入らないんだ。
あれ以来、どっちつかずだったテミンが、なんとなく俺と距離を取ってる。
居心地が、悪い、わけじゃない。
こうなるとわかってとった俺の行動は、俺にとっては後悔のない選択だったと信じている。
信じているのに・・・
どうしてだろう、
気持ちが晴れないのは。
こころにぽっかりと孔が開いたみたいなんだ。
ただ、あいつが戻ってきた・・・・ってだけなのに。
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