BOOK1

□世界が少しずつ彩を失っていく
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最初にこの気持ちに気づいたのは、同居して、すぐのことだった。





「え・・・いま、なん・・・て、?」



「だから、ボク・・チャニョルのことが好きなんだって、」




親友だと思っていたくらいの友人に打ち明けられた言葉は、オレの心に重たい鉛のような足枷をつけてしまった。


その日からなんとなく・・・・


オレたちはぎくしゃくした。






・・・





「新作のDVD借りたけど・・・・チャニョルも見るでしょ?」


「え?あ・・・ああ、観る」






急にぎくしゃくするのもおかしい気がして。


やんわりを距離を取ろうにも、ベクヒョンは容赦なくオレに近づいてくる。


一緒に並んでテレビを見れば、肩を組まなければおかしい位置になって。なんとなく肩に触れた手。

腕が長すぎるこの体がいけないんだ、と言い聞かせつつそっと触れれば、ベクヒョンは当然のことのようにその身をこちらに近づけてくる。


肩と肩が触れ合う・・・下手に動揺すれば、見透かされる気がして。オレは平静を装って鼻から息を大きく吸い込む。

途端にベクヒョンの匂いしかしなくなって。オレはあわててそれを吐き出した。




「どうしたの?面白くない?」


「あ・・いや・・・」



返答に困り、オレは黙ってテレビを見つめた。


集中したつもりだったけど、内容はさっぱり入ってこなかった。




・・・




男が男を好きなるって言うのは、ありなんだろうか。なしなんだろうか。



男として、ベクヒョンは魅力的だと思う、別に、やましい理由じゃない。

ベクヒョンは努力家だし、ちょっと繊細でクールなところもある。

周りからはちやほやされることも多いけど、本人はいたって真面目で、仕事に対してもストイックなところもある。


練習生はオレよりも短いのに、オレよりもキレのいいダンスをするのも、こいつが実はすげー頑張り屋さんで、人の何倍も練習してるからなのを知ってる。

そういうのを顔に出さないで、へらへらもしないで、いつもにこにこ笑っていられるこいつのことを、本当にすげーなって。

だから、そんなベクヒョンが、オレといちばん仲良しになってくれたってうのは、正直言ってかなり嬉しかった。

オレは実は、デビューも一度遠のいてるいわゆる落ちこぼれ・・の一人だと思ってたし。

そんなオレが、入ったばっかりのキラッキラのお前の友達になれるなんて夢にも思わなかった。


だから、先輩のオレのことを慕ってくれてるだけだと思ってた。こんなに頼って・・・理解してくれるなんて・・夢にも思わなかった。




オレは・・・・、ただの、友達だと思ってたんだよ・・ベッキョナ。





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