BOOK1

□掌
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頬に冷たいものが当たって目が覚めると、パタンと部屋の扉が閉まる音がした。

布団から出ていたミノの手は少し温かくて、ミノはその手を見つめて、誰かがにぎっていたのかと思ってもう一度ドアを見た。

扉はきちんと閉まって、部屋はシーンとしている。

起き上がると、頬っぺたの上の水滴が頬を伝って下にこぼれた。

ミノはそれを拭って少し舐めてみた。

それは少しだけしょっぱい泪の味がした。



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