昼前になって、買い物を終えたkeyがショッピングバッグをたくさん提げて帰ってきた。
ソファーに寝転んで携帯をいじくってるジョンヒョンのおでこの上に紙袋をのっける。
「うぉおい」
ドスの聞いた声をあげて、ジョンヒョンが笑いながら上体を起こす。
「よかった。なんかあったんじゃないかって心配しちゃったよ」
「なんかってなんだよ」
「ミノがジョンヒョンに告白しちゃうとかさ」
「アホか」
ジョンヒョンはまたごろりと横になって、ゲームの続きに勤しみ指をスライドさせる。
横目に入れてたkeyはぴたりと立ち止まって、そんなジョンヒョンをまじまじと見つめてみた。
それは、いつもと変わらないジョンヒョンだった。
「…僕のせい、・・とかじゃ、ないよね?」
「アぁ?」
ジョンヒョンは間の抜けた声で返事をして、キボムに向き返ろうとする。
「あ、やっぱなんでもないよっ!」
慌てて両手を振って止めるキボムに、ジョンヒョンは起こしかけた上体をまた元に戻していく。
機嫌がいいのか、ジョンヒョンは寝転びながら鼻歌を歌いだした。
静かなリビングに、かすかに聞こえるジョンヒョンのゲームのアクション音。それから陽気な鼻歌。
keyは安堵すすように小さく息を吐くと、台所の方へと消えてった。
ジョンヒョンは、keyがいなくなったことを起き上がって確認する。
いないこと確かめると、また横になった。
それから少しだけ目を伏せて。
自分も小さな溜息を漏らした。
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