BOOK1
□恋
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僕は、ジョンヒョニヒョンが好きだ。
いつからかは分からない。ただ、チャンミニヒョンと一緒にいた頃に感じていた楽しさや嬉しさだけではなくて。ただ漠然と、まだ、なんとなくだけど・・・。
これが、好きって言う感情なんだろうなって。
あの人を見るたびに胸が熱くなる。
それは、単純な高揚感や、どきどきやワクワクに似た感情とも違って。もっと複雑怪奇な、たとえば予測も出来ないところで、急に来る胸の高鳴りだったりして。僕を惑わせる。それがおそらく・・・恋、なんだと思う。
【恋】
「・・・・で?なんだって?」
僕は今立ち向かうべき問題のように提示されていた言葉に向き合えずに、軽くトリップしてたみたいで。目の前ではkeyが瞬きをして、ハァ、と溜め息を吐いた。
「もういいよ」
「え、待ってよ?」
「いいよ、聞かなかったことにしていいよ」
「待てよキボムっ」
慌てて追いかけようとするも足が縺れて。keyはヒラヒラと手を振りながらさっさと部屋の中に行ってしまった。
突然の告白だった。
keyが自分のことを好きだなんてちっとも気にしたことなかった。むしろ自分の問題が精一杯で、周りなんてあまり見えてなかったのかもしれない。
感情をぶつければ逃げていく癖に、放っておくと子供のように拗ねるどっかの誰かさんを追いかけるので手一杯で。ミノにはほかのことなんてまるで見えてなかった。
keyが消えていった部屋のドアを呆然と見つめる。
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