BOOK1

□トライアングル
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膝と膝がくっついてしまいそうなほど近い距離に座っているのに、このひとは何も感じないんだろうか。

僕だけがひとり、どきどきしているんだろうか。

まるで心臓の音が聞こえてしまいそうなほど近くにいるのに、あなたは平気な顔して携帯いじってる・・・。



「・・・ねぇヒョン、」

「ん、あ?」

「アイス買いに行きませんか?」

「夏でもねーのに?」

「急に食べたくなったんです」

「お前がだろ?」


ジョンヒョンは重い腰を上げてくれない。

基本的に携帯をいじっている時は会話なんて右から左にスルーだ。


こんなにも気持ちが昂ぶっているというのに、ヒョンときたらまるで僕になんて興味なし。

どうしたんだよ?って頭を撫でてくれるだけでいいのに。

ここじゃないところで2人きりになりたいのに。

どうして、気付いてくれないんです?言えるわけないのに・・・。



じとっとした目でジョンヒョンを見つめてしばらくほっぺたを膨らませてみていると、

奥のキッチンからkeyが顔を出した。


台所の方を向いていたので、視線をあげれば必然的に目があう。


「アイスぼくたべたい」

「おーじゃあキボムと行ってこいよ」

「・・・・」


ジョンヒョニヒョンは時として残酷だと思う。

どうして一緒に行きたい気持ちを汲んでくれないんだ。

どうして簡単に僕に離れろって言えるんだ。



「お財布もってくるね」

「いいですよ、僕がおごります」



スッと、ソファーから立ち上がると、くっついてた左側が、急に寒く感じた。


ジョンヒョニヒョンをひとりソファーに残して、僕はキボムと宿舎を出る。



・・・
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