BOOK1

□番外編〜カイとチャンヨル〜
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『カイって、なんか自信過剰なくらいキメ顔するからイラッとするよね^^』




目の前にいきなり現れて、急にそんなことを言う女に、カイの方が苛立った。


だが、自分より年上のこの女に、しかも先輩グループのマネージャーという女と事を荒立てることなんてできない。

カイは奥歯をグッと噛み締めるようにして口の端をあげ、にっこりと笑って見せた。


チャンヨル「カイー?」


そこに助け舟が現れて。カイはしめた、とばかりに彼女に会釈をして背を向け去って行った。




カイ「ばかっ、もっと早く助けにこいよ」

チャンヨル「アー?」

ばたばたと駆け寄り、カイはチャンヨルの頭を小突く。

カイはチャンヨルの持っていた缶コーヒーに気付いて視線を移す。


チャンヨル「あ、だめ。これ、ベクヒョンのだから」

カイ「ベクヒョン?」

チャンヨル「チームメ・イ・ト!」


チャンヨルはククッと笑いながらカイをつついた。


カイ「知ってるよそのくらい!仲良かったのか、って話!」


チャンヨル「オレが仲良くなりたいの、」



カイはふ〜ん、と興味なさげに返すと、前を向いたまま話し出した。


カイ「俺・・・なんか、嫌な顔してる?」

チャンヨル「あは?」

カイ「どっちだよ」

チャンヨル「・・・・カイって、意外とナイーブだよね」

カイ「お前ね‥」

チャンヨル「そゆとこ、ベクヒョンに似てる」

カイ「似てねーよ」

チャンヨル「似てるよ。会社に言われた通りのことしかできないとことか、超似てる」

カイ「似てない、って」



チャンヨル「カイ・・、」

カイ「あ?」


チャンヨル「楽しんでる?」

カイ「楽しんでねーよ。仕事だぞ」


チャンヨルはアハハハ、と声に出して笑った。


チャンヨル「ある意味、ベクヒョンより面倒くさいタイプだよね」



カイ「どういう意味だこら」



肩を揺らすチャンヨルの頭をヘッドロックしながら、

カイもそこでようやく声を出して笑った。





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