『カイって、なんか自信過剰なくらいキメ顔するからイラッとするよね^^』
目の前にいきなり現れて、急にそんなことを言う女に、カイの方が苛立った。
だが、自分より年上のこの女に、しかも先輩グループのマネージャーという女と事を荒立てることなんてできない。
カイは奥歯をグッと噛み締めるようにして口の端をあげ、にっこりと笑って見せた。
チャンヨル「カイー?」
そこに助け舟が現れて。カイはしめた、とばかりに彼女に会釈をして背を向け去って行った。
カイ「ばかっ、もっと早く助けにこいよ」
チャンヨル「アー?」
ばたばたと駆け寄り、カイはチャンヨルの頭を小突く。
カイはチャンヨルの持っていた缶コーヒーに気付いて視線を移す。
チャンヨル「あ、だめ。これ、ベクヒョンのだから」
カイ「ベクヒョン?」
チャンヨル「チームメ・イ・ト!」
チャンヨルはククッと笑いながらカイをつついた。
カイ「知ってるよそのくらい!仲良かったのか、って話!」
チャンヨル「オレが仲良くなりたいの、」
カイはふ〜ん、と興味なさげに返すと、前を向いたまま話し出した。
カイ「俺・・・なんか、嫌な顔してる?」
チャンヨル「あは?」
カイ「どっちだよ」
チャンヨル「・・・・カイって、意外とナイーブだよね」
カイ「お前ね‥」
チャンヨル「そゆとこ、ベクヒョンに似てる」
カイ「似てねーよ」
チャンヨル「似てるよ。会社に言われた通りのことしかできないとことか、超似てる」
カイ「似てない、って」
チャンヨル「カイ・・、」
カイ「あ?」
チャンヨル「楽しんでる?」
カイ「楽しんでねーよ。仕事だぞ」
チャンヨルはアハハハ、と声に出して笑った。
チャンヨル「ある意味、ベクヒョンより面倒くさいタイプだよね」
カイ「どういう意味だこら」
肩を揺らすチャンヨルの頭をヘッドロックしながら、
カイもそこでようやく声を出して笑った。
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