BOOK1

□ホヒョンの過去はジョンキー
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ジョンヒョン「・・・・なんか、疲れてきた」





その一言に、ずいぶんと驚いた顔をしたのはミンホだった。

無理をして自分に合わせてもらっている気はこのところ毎日のようにしていたし、自分の方が年下なのだから、敬わなければいけないのはわかっていたのに、自分の方が甘えてばかりいたのも事実だ。


ミノ「え・・それはまた、どうして?」

ジョンヒョン「・・・わかんだろ?」


冷たくも感じる様に言い放たれた言葉に、返答を失う。ミンホは、自分の不甲斐なさや経験のなさや幼さを、全部後悔した。けどもう、遅いみたいだった・・。



ミノ「・・・兄さん、僕といると疲れる?」

ジョンヒョン「ん?あぁ・・」


歯切れの悪い返事。

ジョンヒョンが、決断力に欠けることくらい、ミンホは十分にわかっていた。
だから、自分が切り出さなければいけないんだということも・・。



ミノ「・・・・僕、いない方がいいですか?」

ジョンヒョン「んぁ?・・・ぁー・・」



悩むような口調で、言葉はそのままフェードアウトされた。


ミノ「・・・じゃあ僕、出て行きますね」


ジョンヒョン「え、あ・・待っ・・」



最後はでも引き留めてくれる兄さんの優しさを僕はぎゅっと胸にしまって、聞こえなかったフリをした。

こうしてまた彼の優しさに甘えてずるずる行けば、結果的に彼を精神的に苦しめてしまうのは僕なんだ。

だから決断しなくちゃ。


もう、ヒョンを開放するって。



(僕はそれでも・・・ヒョンが大好きだよ)


この想いは、胸にしまっておかなくちゃいけないんだ。





・・・





key「・・・は?今なんて言ったの?」


ジョンヒョン「もう、こういうのやめてほしい」

key「こういうのって?僕がジョンヒョンに服をプレゼントするのが?」


ジョンヒョン「・・・・うん」




ジョンヒョンは、キボムの寝室で手渡されたお揃いのTシャツを突き返して彼に言った。


ジョンヒョン「俺もう、お前と付き合ってるわけじゃないもん」

key「なんでそういう流れになるわけ?別にヤってもいないのに」


ジョンヒョン「お前と仲良くしてると、ミンホが気ぃつかうんだよ」


key「何?みんなして僕をのけ者にしたいわけ?」

ジョンヒョン「そうじゃないよ」

key「でも僕がミノと仲良くするのも嫌なんだろ?」


否定はしない。ジョンヒョンは黙り込んだ。


key「僕とミノが一緒に居るのが嫌で僕にくっついてるのはジョンヒョンでしょ?」


間違いない。
だからジョンヒョンには黙るしかなかった。
他に解決策が見つからない。

俺がキボムを見張ってればいいだけの話なんだ。
キボムとミンホが仲良くしてると、胸のこの辺がチクチク棘を刺されたみたいで痛いんだ。鈍痛のような痛みにかわって、しばらく胸が苦しい時もある。

全部俺がわるい、わかってる。けど・・・



key「僕に何?孤独になれって?」

ジョンヒョン「そうじゃない」

key「ヒョンはそうやって大事なものを僕から奪ってくんだ」


ジョンヒョン「キボム・・・」


key「名前で呼ぶな」





親しい間柄ではない。そう言われたみたいで、ジョンヒョンは少しだけ胸が痛んだ。けど、ミノを取られるよりずっと・・・・いい。




・・・

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