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□不器用な恋人を愛しく想う
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「不器用な恋人を愛しく想う」
事後、安心するかのように寝息を立てて眠る愛しい人
ただ、
俺はその愛しい人からの「愛してる」を聞いたことがない
すやすやと眠る明の寝顔を見ながら、煙草を吹かしてふと思う。
どんなに愛を囁いても、
どんなに優しく抱いてあげても、
明の口から「好き」という言葉を聞いたことがない
時々、不安になってしまうのは…明の本心が聞きたいから。
まあ、好きでもない人に抱かれたりしないよな…なんて前向きに考えたりもするけれど…
やっぱり本心が知りたいんだ
"俺のこと…好き?"
つい数十分前に明を抱いた事を思い出す。
首に手を回して、少し強く俺を抱き寄せた
あれが答えだと思っていい?
「ねえ…明ちゃん…」
無意識に俺に擦りよりシーツにくるまる愛しい恋人
「いつか…明ちゃんの"好き"が聞けたらいいな…おやすみ…」
煙草を揉み消して、
明の額にキスをした。
end