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□秘密の庭園
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「コメ‥挿入れるぞ?」

「あっああ‥」

沢山の蜜が溢れる俺の自身をコメの蕾がどんどんと飲み込んでいく。

「うわっ‥すげぇ‥気持ちいい‥」

女とは違う、最高の締め付けに俺は腰を動かす前から既に絶頂を迎える予感がしていた。

「ふっ‥あああっ‥マサ‥早く動いて‥」

「お、おお‥」

ユラユラと腰を揺らすもののあまりの気持ちよさに吐精寸前。

男とするのってこんなに気持ちいいのか‥秀吉もいつもこんな感じなのかな‥。

ふわっとコメの腕が首にまわり、ギュッと抱き着いてきた。

「うっあああ‥ゼットン‥」


‥おい、待て。
俺はゼットンじゃねえ‥?

「‥コメ?」

コメはギュッと目を閉じて泣いていた。

気持ちよくて泣いたのか、なかなか会えない恋人を思ってないたのか‥俺にはよく解らなかったけれど‥

コメは淋しかっただけなんだ、という事だけがよくわかった。

「そうか、そうか、ゼットンになかなか会えないもんな‥淋しかっただろ?」

そういうと、
コメは「うん、うん」と泣きながら頷いて、ひとしきり声を淫らに荒げた。

恐らく秀吉との時もゼットンの名を呼んだのだろう。
淋しかっただけ。
友人に甘える術は身体を繋ぐ事で満たされる欲望に過ぎなかっただけの事だった。

きっと秀吉は解っていた、友情の延長線だとー

解っていてコメを抱いた。


俺は‥
俺は‥

自分が恨めしくなった。

復讐なんてせずに、二人の言い訳を聞くべきだった。
逃げなきゃよかった。

恋人である秀吉、
友人であるコメ。

二人を信じて話を聞くべきだった。

既に絶頂を迎える時に、そんなことを考えながら二人で一緒に吐精した。


気付くと、俺もコメも泣いていた。

「マサ‥?どうした?大丈夫か?」

「コメ‥ごめんな‥俺‥」

「なんで、お前が謝るんだよ」

と、頭をポンと撫でられ己の愚かさを悔やんだ。



もし俺がコメの立場で、秀吉となかなか会えなかったらどんなに淋しいだろう。

ましてやこの先に未来はない。

遠距離という現実ー

二人を引き裂く運命。
無情にも、俺、秀吉、コメが東京に行く。
俺達がコメを支えてやらなければならないんだ‥


「今度は身体じゃなくて、心で。」


「ん?なにか言ったか、マサ‥」
「いや‥。なあコメ‥これからもさ‥俺と友達でいてくれるか?」

「お、俺の方こそ‥いいのか?」

「ああ‥東京に行っても馬鹿やって遊ぼうぜ」

「‥サンキュな、マサ」


復讐なんで馬鹿げた事はもうやめた。

俺は、
秀吉がいて
コメがいて
ゼットンがいて
軍司がいて

‥それだけでいいんだ。

一人じゃない。


その夜、
俺は秀吉に会いに行って「東京で一緒に暮らそう」と告げてみた。


返ってきた返事は、久しぶりに俺を嬉しい気持ちにさせた。



end
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