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□過去とか未来とか
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『過去とか未来とか』
やっぱり付き合えばそれなりに相手の過去が気になるもので、特に俺はアキラちゃんのことが誰より大好きだからずっと気になっていたんだ
アキラちゃんはどんな子と付き合っていたんだろう、と…
もちろん、アキラちゃんから俺の過去に触れるような事はなかった
俺に興味がないのかなんて少しへこんだりもするけれど、今こうして俺の腕の中にアキラちゃんがいるって事は俺のことは嫌いじゃないって事なんだよね
「アキラちゃんさ…、」
「ん…?」
「今までどんな子と付き合ってたの?」
「はっ…!?!?」
アキラちゃんは激しく動揺していた
あれ?まずいこと聞いちゃった?
でも逃げられないよ
アキラちゃんは今こうしてベッドの上で俺に抱かれているのだから
「アキラちゃん?」
「なっ、なっ、なんで…そんな事…!?!?」
「まずかった?」
「お、おめーには…関係ねーだろ…」
「えー!!気になる!教えてよ!」
アキラちゃんは俯いて複雑な顔
そんなに言いたくないほど辛い恋愛だったの?
「お、お前は…」
「ん?」
「お前はどうなんだよ」
「…聞きたい?」
「…聞きたくねえ」
「ぷっ、どっちなの?ねえ、アキラちゃん!」
「わ!!バカッ…!抱きつくな!男の匂いがする!!」
「男の子だもーん♪」
「気持ち悪りぃ…」
結局、アキラちゃんにうまく誤魔化された
また聞けなかったなんて思いつつ、こうしてイチャイチャしてたら別に過去なんてどうでもいいやって気になってきた
だって、アキラちゃんてば「気持ち悪りぃ」って言いつつもそのあとも俺に抱かれていたのだから。
俺の背中に伸びるアキラちゃんの手の体温が今も残ってるよ
「アキラちゃん…かわいい…大好き…」
「苦しいから離せ…」
「んもう!さっきまであんなに…ガフッ!「言うな!!」
「アキラちゃん…鼻フックいだい…」
「もう寝る!!」
「ん、アキラちゃんおやすみ大好きだよ…ちゅっ」
「うぜ…」
うざいって言いながらちゃんと俺の腕枕に修まって寝てくれるアキラちゃんが本当に大好きだよ
「俺は…自分から人を好きになったのはアキラちゃんが初めてだから」
眠っているアキラちゃんに話かけると、目の前には耳まで真っ赤な恋人が寝たふりをしている
「ふっ、アキラちゃん可愛い…」
過去なんてどうでもいいか
明日もあさってもこの先ずっとアキラちゃんといられたら。
end