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□気まぐれハイテンション
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『気まぐれハイテンション』




バイトが深夜に終わると、清広のマンションに直行するのが俺の日課となっていた。

行く日に必ず、"今日、行く"とメールをする。

あの清広のことだから、返事はあったりなかったり。

それでも、今日も懲りずに俺はバイクを飛ばして清広の元へ向かっていた。



インターホンを押すと、清広はいつもの仏頂面でドアを開けて俺を迎え入れる。


「清広、ただいま…!」

「……ラーメンくせぇ、」

「…なっ!仕方ねーだろっ…!!テメーと違って汗水流して働いてんだよっ…!」

「ふん、」


清広はいつも風呂上がりで、既にスエットパンツにTシャツを着てラフな格好で待っていた。
当然、リーゼントでもない髪をおろした状態。


「鉄生…風呂、先に入るんだろ?スエット出しといたから…」

「お、おお…サンキュ……、」

「なんだよ?」

「あ、いや…たまには…一緒に風呂…入りてーな…と思ってよ…、」

「……そういうと思って、いつも先に入ってんだよ。バーカ!」

「…ッ、テメー…!!」



そんなやりとりが日々、続いていた。

一緒に風呂には入ることはなかったが、ひとつのベッドに入ればやることは同じで……今夜も嫌がる清広を大事に抱き締めて眠りについた。


************



"今日、バイト終わったら行く"

清広にメールするも、返事はない。
まあ、いつものことだ。


バイトが終わっていつものように清広の元へ向かう。




「おう!清広、ただいま……!」

「ちっ、…ただいまって、ここはテメーの家かよ!」

「あぁあ、腹減っ………、ん!?」



よく見るといつもTシャツにスエットパンツの清広の姿が、私服にリーゼントのままだった。


「き、清広…お前、まさか風呂…まだ?」

「…んだよ、悪りーかよ…」

「いっ、い、一緒に風呂に……入ってくれるのか…!!」

「………い…いつもしつこいから…、たまには。まぁ…一緒に入ってやろうかと…、」




清広は視線を逸らして顔を赤らめたまま、そう呟いた。



「清広ぉお…!!!」

「わっ…バカっ…離れろッ、ラーメンくせぇんだよ…離れろッ、バカッ……!」



なんと言われたって構わねえ。


俺は清広がたまに見せるそんな優しさも全部…大好きだからよ。

今すぐにでも、

がっつきてえ…

なあ?

いいだろ?



久しぶりの二人風呂は堪らなく
興奮する。

"期待していいんだぜ?清広"

なんて、
言ったらまた殴られそうだから
俺は代わりに手を取ってバスルームへと向かった。



end

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