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□おにいちゃん
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※性的表現有り、注意。





『おにいちゃん』


幼なじみでも呼び方は変化する。




小学生までは「お兄ちゃん」、

中学生までは「岩城先輩」、

高校生から「軍司さん」、


いつしか他人行儀な呼び方になってしまったのに、変わらないのは二人の距離。





軍司さんの部屋でまったりする時間が好き。


「軍司さん…」

「ん?」

「今日、泊まってもいいですか?」

「もちろんだ」


軍司さんは嬉しそうに笑って、
ポンポンと自分のとなりに座るように促した。

俺は素直にとなりに座り、
軍司さんの肩に頭を預ける。



なんとなく…この雰囲気は、


と、
思った瞬間に唇に深くキスをされた。
深く、深く。

頭が真っ白になりそうなくらい、気持ちがいい。

キスだけでイケそう…だなんて、恥ずかしくて口が裂けても言えない。

そのまま、ゆっくりと押し倒されて軍司さんを受け入れる。


充分に愛撫を施されて
耳元で優しく愛を囁かれ、

軍司さんに抱かれるたび、
嬉しくて嬉しくて
この人が大好きで大好きで
軍司さんを好きになって良かったって…身体全体で感じる。



お互いの身体の熱が高まり、俺の中に軍司さんが挿入ってくる。


「んはぁッ…ああッ…」

「大丈夫か?」

「はい…軍司さん…」

「十希夫…可愛い」


律動を繰り返す軍司さんに見とれていると、熱くなった軍司さんの中心が突如として、ズルリと引き抜かれた。



「ああッ…!!はぁ…ッ…軍司さん…なんで…?」


太ももを伝う軍司さんと俺の厭らしい蜜と蜜。


「やッ…軍司さん…なんで…?早く…欲しい…です…」


ヒクヒクと自らの蕾が軍司さんを求めて、疼くのが解る。

涙目で訴えると、
軍司さんはニヤリと笑った。


「十希夫、"おにいちゃん"って呼んでみろ…そうしたら、くれてやる」

「えっ?えっ…?」

「小さい頃はよく俺の事を"おにいちゃん"って呼んでくれただろう?」

「は、恥ずかしい…」



「ふーん…じゃあ、このままでいいのか?」


意地悪に、
さっきまで中に挿入っていた軍司さんの自身をヒクヒクしている蕾にあてがい擦りつける。


「あッ…やあ…ッ…軍司さん…意地悪しないで…くださ…」

「ほら、これが欲しくねえのか…ん?十希夫…」

「わ、わかりました…言いますから…意地悪しないでください…ッ…」


早く軍司さんと一つになりたかった。
先程までの熱が冷めないうちにもっともっと繋がっていたい…


「十希夫…すっげえ…ヒクヒクしてるぜ…」

「んッ…やあ…見ないでください…ッ…」


再び深くキスをして、胸の突起を舐められ攻められる。

俺の中心も熱くなり蜜がトロリと腹に溶け落ちる。



もう…我慢できない。



「ほら…十希夫、"おにいちゃん"って呼んでみろよ」

「んッ…あ…お、おにいちゃん…ッ…ぐんじ…おにいちゃ…ん…」

「上出来♪」

「はぁあああッ……んッ…!」


再度、軍司さんの硬くなった自身が俺の中に挿入ってきた。
欲しくて欲しくて堪らなかった身体は、もっともっとと欲を欲する。
もはや、羞恥心等はなかった…



「はぁあ…ッ…おにいちゃん…すき…」

「ああ、俺も…」

腰を打ち付ける音が部屋に響き渡り、同時に蜜が絡まる厭らしい水音が耳を掠める。

軍司さんが興奮しているのが解る…いつもよりも激しく、官能的。
男らしくて、いつもより体温は高く、汗も凄い。

繋がりながら、軍司さんは沢山のキスの雨を顔や身体中に降らせた。



「十希夫…もっと…もっと厭らしい言葉、言ってくれよ…」

「ッ…はい……」

「十希夫、気持ちいいか?」

「…うん、ぐんじ…おにいちゃんの…硬くて…大きいの…気持ちいい…」

「ははっ、そうかー!」

「中に…」

「ああ…ご褒美な」


律動は激しく繰り返され、
やがて絶頂へと達した。
俺の願い通りに軍司さんは中に射精をしてくれた。


"おにいちゃん"


軍司さんはこの言葉でかなり興奮し、とても満足そうだった。

そして俺も…


久しぶりに呼ぶ、「おにいちゃん」がまさか行為の最中で言うことになろうとは。


ゴロンとベッドに横たわり、軍司さんは言った。


「十希夫…」

「はい?」

「次は…"岩城先輩"で頼むな!」

「えっ…もうっ…、軍司さんってば!!」


ニカッと笑って、煙草に火をつける。

俺が断れないのを知ってて…
でも、そんな軍司さんが大好きで。
心のどこかで密かに期待している自分もいたりして。

"岩城先輩…"か。


軍司さん、

俺は、
お兄ちゃんでも
先輩でも
軍司さんでも
あなたでも

どんな呼び名であろうと…
大好きであることには変わりません。

俺が産まれてから死ぬまで永遠に。


end

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