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□ラブリーベイベーA
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『ラブリーベイベーA〜鈴蘭五人衆編〜』
「あれ?今日、秀吉とマサは来てないのか…?」
「コメェ…」
「なっ、なんだよ…」
ゼットンが明らかに物欲しそうな、悔しそうな表情を浮かべて俺をガン見。
「俺達もそろそろ…先に進むべきだと思うんだ!」
「あ?なに言ってんだよ」
「だってよ〜!昨夜のマサのつぶやき、みたか…!?」
「ああー…俺、バイトだったからケータイ触ってないわ」
ゼットンは徐にケータイを取り出して、俺に差し出した。
「ん!」
マサ「秀吉とラブホ♪なう」
ゼットン「いちいち報告するな<(`^´)>」
軍司「十希夫なう」
ゼットン「すけべ」
マサ「変態(*´ー`*)」
軍司「挿入なう」
十希夫「や…軍司さん、恥ずかしい…(*/□\*)」
ゼットン「軍司、消えろ」
マサ「軍司、うぜ」
軍司「バックなう」
ゼットン「イ●ポになりますように」
マサ「(  ̄▽ ̄)つ□湿布と軟膏」
秀吉「マサ、何してるんだ?さっさとヤるぞ」
ゼットン「秀吉、きもい」
マサ「秀吉、きもちいい」
ゼットン「お前ら爆破しろ」
なんなんだ…このやり取りは。
秀吉もマサも本人が目の前にいるのに、呟く意味があるのか…
まさにただの、のろけだな…
軍司と十希夫に至っては、生々しすぎる。
「おい…ゼットン、秀吉やマサより軍司のがひでえ内容じゃねえか…?」
「ムラムラする内容だな…!」
「…な、なにが言いてえんだよ」
ゼットンが目をうるうるさせて、何かを訴えてきた。
まさに…この二組のバカップルに感化された様子で。
「コメェエー!!俺もコメとイチャイチャしてる事を呟きたいぞ…!」
「あっそ…」
俺はくるりと背中を向けた。
冗談じゃねえ…!
他人に感化されて、そういうことは…したくねえ。
「コメ…今、コメに呟いた…!」
「俺にケータイを開け、と?」
「あぁ。」
仕方なく、ケータイを開いてゼットンの呟きを見ると…
ゼットン「今からコメを幸せにするなう!」
「…なんだよ、この呟き」
「俺の本音だ」
ニコニコと笑って、自信満々に言うもんだからさすがに俺も折れた。
「…そっか…じゃあ、幸せにしてくれよ」
そう言うと、
ゼットンはニカッと笑って俺の手を取り、ギュッと繋いだ。
その大きな温かい手で、俺の手を優しく包んだ。
「コメ…俺はこうしてるだけでもう幸せだぞ…!」
「………だな。」
それはそれは嬉しそうにゼットンが笑うものだから、つられて俺も笑ってしまった。
コメ「幸せなう。」
end