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□眼鏡越しの恋
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『眼鏡越しの恋』
二年になった十希夫は、黒のリーゼントをやめ、髪をバッサリと短くして金髪にし、さらに眼鏡という見事なイメチェンを遂げた。
「十希夫‥随分とイメチェンしたな‥」
「似合いません?」
「いや‥‥反則。」
「は?」
「‥美人過ぎて。」
「ははっ、軍司さん何言ってんですか!」
いやいや、
冗談なんかじゃねえぞ。
去年入学してきた時なんてまだガキくさい感じだったのに、いきなり綺麗になりやがって‥。
眼鏡って‥
なんかいいな。
「‥軍司さん、さっきからなんなんですか?ジロジロと!」
「あっ‥いや‥十希夫、前から眼鏡かけてたっけ?」
「コンタクトだったんですけど、なんとなく面倒で‥眼鏡、変ですか?」
「んーん!すっげえ似合う!!」
そう言うと、
十希夫はニコリと嬉しそうに笑った。
段々とこうして大人に変わりゆくお前をこれからも隣りで、見てていいか‥?
なあ、十希夫。
「十希夫‥お前、いい男になったな」
「そっくりそのまま、軍司さんにその言葉返します!」
「はあ?」
「俺が見てきた坊主頭の軍司さんが‥いきなりヒゲ生やして渋くなって‥‥か、格好いいです‥」
「ははっ!そうか?さすがにもう坊主頭は卒業だ!」
見かけは変わっても、お前を想う気持ちだけは変わらないよ。
いつも俺をドキドキさせていてくれよ、十希夫。
「十希夫、」
「はい?」
「キスする時は‥眼鏡‥外してもいいか?」
十希夫は、
頬を真っ赤にしてうつむいたまま、
かけていた眼鏡を外してニコリと微笑んだ。
「‥はい、軍司さん♪」
十希夫の可愛いその行動にキスだけでは、治まらない自分がいた。
end