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□notlike,I loveyou
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『notlike,I Love You』


どうしていつも同じことを繰り返してしまうのだろう。


また今夜もこいつに組み敷かれて

獣と化すー



女と会わない日の夜のお相手は、何かにいつも理由をつけては俺を呼ぶ


俺も何をするか知っていて繰り返し、九里虎のマンションに訪れる。



‥大嫌いなのに。


何故‥身体はあいつの場所へ向かってしまうのだろう。



部屋に上がるとやることは一つ。

毎回、同じ事の繰り返し。

嫌だと口で言い身体を拒絶するものの、気付けば無理矢理口内に入れられた舌に自らの舌も絡めている。


それは、極上のキス。


ーお前なんか嫌いだ


「クロサー‥好いとうよ‥」

ー嫌だ、やめろ


「ふっ‥ああっ‥」


ーお前なんか‥嫌いだ


身体中にキスを落とされ、嘘くせえ愛を吐かれる。


次第に熱を帯びる裸体。

汗がじんわりと浮かぶ。


「クロサー‥愛しとうよ‥」

ー‥もう、まっぴらなんだよ

「ああああっ‥ん‥」


気持ちとは裏腹に
俺の喘ぎはこだまする


ー欲しい‥。


「お前‥なんか‥嫌い‥だ‥」

「クロサー‥可愛いか‥泣きながら‥そげんこつ言うてもなあ‥」


あまりの快感に、
涙が止まらない。


ーああ‥もっと奥に。


「お前なんか‥ああっ‥」

九里虎の背中に手を伸ばしてギュッと抱き寄せる。

律動は激しさを増して、膨張した俺の自身は自らの腹へと吐精する。


ーあ‥気持ちいい‥

もっと

もっと


あいつを欲する


「違う‥そうじゃない‥」

「クロサー‥?」


ーもっと、中に‥くれよ‥九里虎。


「そんな事‥思って‥ない‥」

「クロサー‥可愛いか‥」

時には髪をわし掴みにして鬼畜に攻める九里虎も、今日はなぜか優しかった。

ヨシヨシと俺の頭を撫でて、零れた涙をキスで拭う。


「‥だから、お前なんか嫌いだって‥」

「知っとうよ、もー‥なんべんもなんべんも聞いたばい‥」


九里虎はニヤリッと笑って俺にキスを落とした。

何もかもお見通しー。

俺もいつものようにお前の腕まくらに抱かれ、静かに寄り添い眠りについた。



end

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