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□魅惑の罠
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『魅惑の罠』


今日は久しぶりにマサ、コメ、軍司、俺の四人で酒を飲んで楽しく騒いでいた。

ゼットンは季節外れの風邪をひき、留守番組。


「あっ‥やば‥氷がもうない」とマサが騒ぐ。

「俺、買ってくるわ。タバコもちょうど切れたし」と軍司。

「軍司、俺も行くよ!」と、マサと軍司は部屋を後にして買い出しに出かけた。

コメは、酒が弱いくせにゼットンがいないのをいい事に浴びるように焼酎をロックでがぶ飲みしていた。

「おい‥コメ‥大丈夫か?お前、飲み過ぎだろ‥」

テーブルに寄り掛かり酔いつぶれているコメに声をかける。


「んん‥ああ‥ひで‥よし‥?なんで‥ここに‥いんのー?」と呂律も回らない状態ですっかり泥酔状態。


「ほら、風邪ひくからお前はもう寝ろ!ベッド使っていいから‥立てるか?」

コメの腕を取って、肩にまわした。

次の瞬間ー


チュッとコメが俺の唇にキスをしてきた。

かと思ったら、ギュッーと抱き着いて甘えてきた。

「んん‥ゼットン‥」

「おい‥コメ‥俺はゼットンじゃねえぞ‥離れろ‥」

「やだー!ギュッーして!!」

おいおい‥お前、ゼットンといるとそんなに甘えたになるのか‥。

なんつうか‥ちょっとそのギャップ‥たまんねえな。

「コメ、解るか?俺だ、秀吉だ」

「あれえ?秀吉‥?なんれここにいんのー?」


‥この酔っ払いが。

普段のクールで知的なイメージと打って変わった無邪気なコメ。
おまけに美人ときたもんだ。
もしも俺にマサがいなかったら‥俺の理性も勝てそうにない。


「んむぅー‥ま、秀吉でいいか‥チューしようぜー!」

なんなんだ!コイツ‥酔うとキス魔になるのか!
なんてタチの悪い酒癖。

いや‥逆に嬉しい酒癖?

「なー秀吉‥しようぜー」

「さっきしただろ‥」


コメはうっとりとした顔で、首に手を回して甘く誘う。
その距離は段々と近付き、俺の足を跨いで上に乗ってきた。

「コメ‥今、マサ達が来るし‥お前にはゼットンがいるだろ!」

「やだ、秀吉としたい!」

そんな事言われると‥つい嬉しくて顔が綻んでしまうだろ。

このままだと流されてしまう‥。

コメは俺の上に跨がり、首に手を回したままそっと唇を寄せてきた。

ああ‥

もう駄目だ。

キスがしてえ。


「コメ‥、マサとゼットンには言うなよ‥」

「ん‥」
‥俺の負けだ。

二人の唇が重なった瞬間にタカが外れて気付くと、コメを押し倒していた。

マサにしているように唇に濃厚なキスをしてから、耳や首筋にキスを落として舌で舐め激しく吸い付く。


「んっ‥あ‥秀吉‥気持ちいい‥」

「お前が悪いんだぜ、コメ‥お前が俺を誘ったから‥」

「ああ‥俺が悪い‥んんっ‥」


コメがもっともっとと愛撫をおねだりするのが可愛くて、俺は心までも奪われそうになっていた。


服を脱がせて、胸の突起を舐めたり吸ったりするとコメは激しく身体をよじらせて聞いたこともないような喘ぎ声をあげた。
その声に俺の自身は硬く熱を持ち、コメを欲していた。

「コメ‥お前、とんだ淫乱ヤローだな‥」

「んあっ‥秀吉‥もう‥いいから早く‥‥俺‥もう‥欲しい‥」

「お前みたいな美人に、んな事言われたら‥我慢が出来ねえよ‥」


コメのズボンと下着を剥がして全裸にし、足を俺の肩に乗せて抱え上げ再びキスをしながら、俺の指は既に濡れていたコメの蕾をまさぐった。


「コメ‥なんだ‥すんなり挿入るじゃねえか‥お前、相当慣らされてるな?」

「‥ああっん‥いいから‥早く‥秀吉が‥欲しい‥」

「わかった、わかった」とコメを宥めて俺の自身を蕾にグリグリと押し当てる。
俺は焦らすのが気持ちよくてなかなか挿入ずにいると、コメは"早く"とせがみだした。


その時‥



玄関の扉が開く音がした。


「たっだいま〜!」


マサと軍司が帰ってきた。

これから挿入るって時に‥なんてタイミングの悪さ。

ああ‥最悪‥いや、これでいいんだ。これで。


慌てふためき俺は急いで、コメに服を着がえさせズボンと下着を履かせた。


「秀吉‥?なんでやめんの?やだ、俺‥ズボン履きたくない‥」

「バカッ‥マサと軍司が帰ってきたんだよっ!いいからお前は寝てろ‥!」

「マサと軍司‥?あれ?どこに行ったんだっけ‥?」

泥酔してるコメに何を言っても無駄だと思った俺は、コメをヒョイと抱え上げて無理矢理ベッドへと寝かせた。

「ベッドで続きすんのか‥?」

「バカッ‥シーッ!静かにしろっ!いいな、今の事は内緒だぞ!!誘ったのはお前なんだからな!」

そういうと、
コメは着ていたシャツの衿をはだけて、俺がつけた首筋のキスマークをわざとチラッと見せつけ、ニヤリと笑った。

お前っ‥!

まさか‥わざと!?


「オヤスミ‥秀吉。」と、にっこり笑って布団に入るコメ。



甘い魅惑の罠で責められた俺はその罠にまんまとはまった。

あの綺麗な瞳と妖艶な唇には誘惑の毒がある。

もうこれ以上‥俺を惑わせないでくれ。



「ただいまー‥って、あれぇ?コメは?」


「マサッ‥!」

俺はマサの顔を見て激しく安堵し抱きしめた。

「おいおい、秀吉‥俺がいること忘れんなよ!」

「軍司‥マサに手を出してねえだろうな‥」

「んなこと出来るか‥!」

「どうしたの?秀吉‥コメはー?」

「コメは泥酔してベッドで寝てるよ」

「あいつ、酒弱いからなー」

「ん?秀吉なんか‥いい匂いする‥コメの香水の匂い?」

「ああ、さっきベッドまで運んだ時についたのかもな‥」


マサ‥本当に‥ごめん。



今でも目を閉じると、
コメの唇の感触や甘い瞳、俺の自身を熱くさせたあの声が忘れられない。


もう、コメと酒を飲むのはやめよう。そう固く誓った夜だった。



end

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