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□ノンストップ!鉄生くん
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ブライアンにいつものメンバーが集う。
今日は会合の日だ。
『ノンストップ!鉄生くん』
「んん?おい、将太‥清広の奴が来てねえじゃねえかよ‥清広はどうした!」
「鉄生、お前‥何も聞いてねえの?清広、風邪ひいて寝込んでんだよ‥!」
「なぁ〜にぃぃぃ〜!!!!!おいっ、将太‥聞いてねぇぞ‥!!清広が寝込んでるなんて聞いてねぇぞぉぉおー!!」
グイッと将太の胸ぐらを掴んで思わず憤慨する。
清広‥大丈夫か。
清広‥清広‥清広‥
あぁ‥会合どころじゃねえよ‥!!
お前の容態が気になるじゃねぇかぁああぁー清広ーっっ!!!
「おい‥鉄生、お前‥全部、声に出てんぞ‥聞いてるこっちが恥ずかしいわ」
赤面した将太に突っ込まれた。
「あら?俺、声に出てた?」
「‥頭、今日は俺らで話進めるんで‥その‥早く清広のアニキの所へ行って下さい‥」
見兼ねた将五が俺を促してくれた。
そうとくれば、遠慮はない‥!!
「悪いな、将五‥!では、またな諸君‥!」
俺は猛ダッシュでブライアンを後にした。
「‥やれやれ、うちの頭と副頭‥会えば喧嘩ばかりなのに、会えなくなりゃあこれだもんなぁー」
俺が出て行った後に将太がこんな事を言ってたらしいが、なんと言おうと構うものか。
俺の心は清広に向かって一直線だった。
しかし、家族と住んでいる清広の家にいきなり突っ込んで行くのも‥。
清広の家の前まで来たのはいいがどうしたらいいもののか‥家の前でウロウロするのが精一杯だった。
「‥‥鉄生?」
「っ‥きっ!」
清広がスエット姿のまま、玄関から出てきた。
「清広ぉおおーっ!」
夢中で清広に抱き着く。
ゴンッ‥!
お約束の清広の鉄拳が、俺の頭に容赦なく落ちる。
「痛ってぇ‥けど、清広に会えた‥!」
「こっ、こんな所まで何しに来てんだよ‥!近所迷惑だろが!!」
「っ‥なんだよ、その言い方!!お前が寝込んでるって聞いたから心配で心配で駆け付けたのによー!!」
「あっ、ああ‥熱ならまだ少しあるぜ‥風邪移るからよるな‥。あ、バカは風邪ひかないから‥大丈夫か。やっぱり寄ってもいいぜ‥!」
清広がいつもしたり顔でニカッと笑う。
「お前‥本当に病人なのかよ‥でも、今‥寄ってもいいって言ったよな‥っ♪」
「っ‥!」
俺はギュウッと清広を抱きしめた。
「今日は離さねーぞ!」
「‥離さねーって、俺んちに泊まる気かよっ」
「だめか?」
「家の前に不審者がいるから見てこいって、親に言われて出てきたんだぞ‥!!その不審者を、のこのこ家にあげる訳にはいかねーだろうがっ‥!」
「えっ、不審者‥って‥俺かーっ!?」
シュン‥と落ち込む俺を見兼ねた清広は「仕方ねえな」と、家族に事情を話して俺を家にあげてくれた。
「お前、熱あるって言ってたよな‥大丈夫なのか?」
「ああ‥昨日まで酷かったけどな、今は37度まで下がったよ」
「‥なんで教えてくれなかったんだよ‥」
「お前が来ると思ったから」
グッ‥‥!!!
完全に俺の行動を読まれてる。
「俺が来ちゃあ‥迷惑かよ‥」
「不審者だからなぁ(笑)」
「くっ‥病人だからって‥てめぇ‥いい気になるなよ‥!その気になれば、病人だって犯してやるからな‥!!」
「やってみろよ‥」
ゴクリ‥
清広に挑発され、思わず首筋の龍のタトゥーに目がいってしまった。
「やれるもんならやってみろ」という挑発的な瞳で見つめられ、そのあと鼻でふふんっと笑われた。
「いやいやいや‥!ダメだ!ダメだ!病人を抱く訳にはいかねー!!いいから、お前はもう寝ろっ!早く風邪、治せっ‥」
「‥鉄生が注射してくれたら治るかもしれねぇな‥」
っ‥!!!
ちゅっ‥
注射って‥!!
清広ぉおおおー!!!
てめぇ‥俺が我慢してるのをいい事にからかいやがってぇえええ‥!
だから、
そのしたり顔やめろって。
俺はそれから5分ー
己の欲望と葛藤していた。
********
‥清広。
悪りぃ‥俺の負けだわ。
完敗です。
「おい!清広‥お注射するぞ‥!」
「まままま待て‥!」
「誘ったのはそっちだろうが!もう俺の注射が我慢出来ねぇんだよっ‥!」
風邪で弱った清広の身体に俺の硬くて熱い注射が注入された。
翌日、無事に風邪は完治したらしい。
「な、清広‥俺の注射は効果絶大だろっ!カッカッカッー!!」
「っ‥んな、恥ずかしいこと、いちいちデカイ声で言うな!」
‥ゴンッ!
清広、
復活の鉄拳が俺の頭にお見舞いされた。
end