splash!

□会いたくて
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部屋に入ると、メンインブラックよろしく、いつものスリムのブラックスーツ姿の憂火が、ネクタイを抜き、シャツのボタンを外す。
そこに垣間見えるのは、縄で縛られたような黒い痣。
睡蓮と憂火が同時に消えた3週間後。
憂火は、首に刺青のような痣をつけて自分の前へ戻って来た。
憂火自身は、鏡で見なければ気にならない様子で、特に隠すそびれもない。
「痛くないの?」
聞くと、憂火は「痛そうに見えるか?」と聞き返してくる。
曖昧に首を傾げると、「痛くねえから、気にするな」と頭を撫でられた。
きっといつもそうしてるのだろう、Yシャツを脱ぐと、リビングの入り口に置いた大きめのランドリーバッグの中へと放り込み、それと色違いのバッグの中からビニール袋の掛かった白いTシャツを取り出すと、それに着替えた。
綺麗にアイロンされた、何の変哲も無い白いTシャツだ。
それから、ズボンも脱ぎ捨てる。
さすがにパンツまでは白では無かったが、単色のボクサーパンツ姿には、直視し難いものがある。
骨張って痩せているが、体は筋肉質で胸板もしっかりある。
太腿の太さは、よくこれでスリムのスーツが着れるなと感心する程だ。
そう、見方によっては、映画で見た戦場にいる軍人のように簡素且つ逞しい姿なのだ。
「シャワーは?」
そう聞かれて、リュウトはソファーから重い腰を上げた。
「・・入るよ」
「入るのかよ」
やや眉間に皺を寄せ、憂火がすれ違い様に、オレの襟に指を引っ掛けて引き留める。
その空いた隙間に顔を寄せ、くんくんと匂いを嗅いだ憂火が「このままでいいだろ」と、Yシャツの上のベストを裾から捲り上げようとするのを、両手で押えた。
「ちょ・・!もう勝手に嗅ぐな!脱がせんな!」
「いまさら」
何を言う?と、憂火の手が遠慮無くシャツの中へと滑り込み、直接肌に触れてくる。
ビクリと背筋が強ばり、背中からぴったりと抱き締められて、自分の体から力が抜けていくのがわかる。
「もう感じたのか?」
意地悪な聞き方に、溺れそうになった意識を取り戻す。
「憂火が、触るからじゃん・・っ」
「バカ。これは検査だ」
「ウソばっか・・!」
「お前は唯一、『神送り』を免れた希少な人間だからな。この先も、体に異常が起らないか監視する必要があると説明しただろう?もし突然、なんらかの原因で『神送り』の能力が復活してみろ。お前を狙う何百という『神』がお前の元に吸い寄せられてくるかも知れない」
だから、定期的に体を調べる必要がある。
そう言いながら、憂火がリュウトのうなじに唇を押し当ててくる。
つまり。
偽『神送り』を行うというのだ。

リュウトの首をねっとりと舌で舐め上げ、襟足を強く吸った。
首筋を唇で犯され、リュウトの頭がクラクラしてくる。
憂火の低く掠れた声と、唇で肌を吸われる音が耳に響いて、抵抗する気力が無くなる。
「憂火あ・・ッ」
立ったまま服の中で性器を弄られ、リュウトは反射的に腰を引くと、そこに硬いモノが当たった。
布越しにも、それとわかる程に膨張したモノが、リュウトの尻の狭間へ密着する。
心音が、バクバクと鳴り出し、リュウトは目に涙を滲ませた。
「もう・・やだ・・ってば・・」
「そうか?ここはイイって言ってるけどな」
憂火が指し示す場所からは確かに先走りが溢れ、憂火の掌の中を濡らしていた。
その掌をわざと下着の中から出して、リュウトに見せてから、憂火はそれを舐め取った。
「ちがう・・っ」
「違わないだろ?ほら、脱げって」
自分でベルトを外し、ズボンを下ろすよう指示されて、リュウトは諦めたように従いながら反論した。
「違うから・・気持ちイイけど・・そうじゃなくって・・」
「何がだ?」
全て足下へ落とすと、憂火の手がその奥へと触れてきた。
自分の先走りでヌルついた指先が、尻たぶの間の秘部に触れる。
「開いてる」
そう言われて、熱い顔が、もっと熱くなる。
「だから・・そういう事・・っ」
言うな、と言いたくても最後まで言葉が出せない。
言い淀んでいる内に、次々と憂火から与えられる刺激に体が反応し、喘がされてしまうのだ。
ズッポリと指を咥え込まされ、その中で指を動かされる。
グリグリとある一点を押されると、両足を擦り合せ、腰がガクガクと揺れそうになった。
「随分柔らかいな。リュウト・・まさか、オレの他に誰か、食わせたのか?」
ここに。
そう言うと、まるで苛むように指を増やし緋肉を掻き混ぜ、広げてくる。
「憂火・・っ」
なぜ、そんなイジワルい事を言うのかと振り返って睨みつけると、すぐそこに憂火の顔があった。
すぐに顎を掬われて、口の中を貪られることになる。
「ン・・ッん」
キスと同時に自分の深部を掻き混ぜられ、腹の奥に堪らない疼きが芽生える。
「ア・・ッ憂火・・憂火あ・・ッア・・ア・・」
どんなに恥ずかしいと感じる事でも、もう我慢など出来ない。言わずにはいられない体になる。
「もっと呼べ」
低く掠れた声で、耳元で命令され、膝から力が抜けそうになるが、憂火の腕がしっかりと自分を支えてくれているから、実際に膝が抜けることはなかった。
「憂火、挿れて・・!ゆうか、ゆうかお願い、挿れて、憂火・・っ」
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